Web3学習コラム:DeFiの活用事例
DeFiについて何となく理解はしたけど、具体的なイメージができてない人も多いと思います。
本記事では、実際の活用事例を解説し、DeFiがどのように実装されているのかを見ていきます。
それでは早速活用事例を見ていきましょう。
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Uniswap
DeFiで最も有名なプロトコルUniswapの概要と仕組み、トークノミクスについて解説します。
Uniswapの概要
Uniswapとは、Ethereumネットワークを基盤とした分散型取引所(DEX)です。
AMMを採用しているため中央集権的な管理者を必要とせず、ユーザー同士が直接取引することができます。
Uniswapの運営はUniswapのガバナンストークンであるUNIを保有している人々(ホルダー)によって行われています。
またUniswapはオープンソースであり、誰でもソースコードを閲覧することができるため、Uniswapを模倣したSushiswapというサービスも誕生しています。
Uniswapの仕組み
上でも説明しましたが、UniswapはAMMを採用しているため、取引は全てスマートコントラクトで行われます。
また価格の決定方法は、各流動性プールに保有されているコインの数の比率に応じて、コインの価格を増減させる仕組みを採用しています。
各トークンの価格を算出する方程式は、トークンAの量をx、トークンBの量をyとしたとき、x*y=kとなります。
例えばボブはLINKをUniswapのLINK /ETHプールを使って交換したいとします。
ボブは大量のLINKをプールに追加し、プール内のLINKの比率を増やします。
kは一定なので、流動性プールのLINKの価格は下がり、ETHの価格は上がります。
つまりボブがLINKを大量に追加するほど、得られるETHの量は少なくなります。
とは言っても、よく利用されている流動性の高いプールには大量の流動性トークンが保有されているため、個人で使用する分については価格変動をそこまで気にしなくても問題ありません。
流動性の低いマイナーなトークンを取引する場合は注意しましょう。
またUniswapでは基本的にトークン価格が他の取引所と一致するように保たれています。
その理由は、Uniswapのトークン価格が他の取引所より高いor低い場合、アービトラージトレーダーが売買するからです。
アービトラージトレーダーとは、複数の取引所間で価格の不一致を見つけ、それを利用して利益を確保するトレーダーです。
例えばBTCがコインチェックでは300万円、ビットフライヤーでは305万円で取引されていた場合、コインチェックでBTCを買い、ビットフライヤーで売ると簡単に利益を確保することができます。
同様のことがUniswapでも行われます。そして先ほども説明したようにトークンの価格は買われれば上がり、売られれば下がるので、最終的に市場価格と一致するようになっています。
またUniswapの運営はUniswapのガバナンストークンであるUNIホルダーによって行われています。
Uniswapでは常時運営についての提案を募集しており、提案された内容についてUNIホルダーにて投票を行います。
投票の結果、賛成多数であれば提案は可決されますし、反対多数であれば提案は否決されます。
Uniswapだけでなく、中央集権的な組織がいないDeFiの多くがこのガバナンストークンによる運営を行っています。
Uniswapのビジネスモデル
Uniswapでは取引する度に0.3%の手数料が設定されています。
徴収された手数料は流動性提供者に分配されます。
例えばWBTC/ETHの流動性プールに10WBTC \100ETHが保有されており、その内1WBTC/10ETHをあなたが流動性提供していたとします。
このWBTC/ETHの流動性プールで1ETH分の手数料が徴収された場合、あなたが提供した流動性は全体の1/10なので、あなたが獲得できる報酬は手数料として徴収された1ETHの1/10である0.1ETHとなります。
しかし将来的には徴収した手数料全てを流動性提供者に分配するのではなく、手数料0.3%の内0.05%をプロトコル全体の手数料として留保する予定であることをUniswapのホワイトペーパーで発表しています。
参考文献:https://docs.uniswap.org/contracts/v2/concepts/protocol-overview/how-uniswap-works
Aave
Aaveの概要
Aaveとは、Ethereumネットワークを基盤とした仮想通貨を借りたり貸したりすることができる分散型プラットフォームです。
Aaveではスマートコントラクトを使用してプロセスを自動化し、資金の分配方法、担保の処理方法、手数料の徴収方法に関するルールをあらかじめ設定しています。
Aaveで借入を行う場合、担保として仮想通貨を預ける必要があり、借入できる仮想通貨は担保として預けた仮想通貨よりも少なく設定されています。
担保として預けている仮想通貨の価値が基準の値より下がった場合、預けた資産は自動で清算されます。
Aaveの仕組み
ユーザーは担保として仮想通貨を預け、担保価値の80%を上限として他の仮想通貨を借りることができます。
Aaveではスマートコントラクトを用いて、融資条件の計算、預けた担保の回収、借りた仮想通貨の分配など、借入のプロセスを自動化しています。
またAaveから借りるだけでなく、Aaveに仮想通貨を貸付けることで利息を受け取ることもでき、貸付の利息は預けた仮想通貨と同じ通貨で支払われます。
Aaveでは貸し手と借り手を直接マッチングさせるのではなく、Aaveの流動性プールに一旦貸し手の仮想通貨を預け、流動性プールから借り手に貸し出される仕組みです。
資金を預けるときは、預けた仮想通貨の価値やボラティリティに基づいて、借入可能額を自動的に計算します。
Aaveのローンは全て過担保化されており、預けた資産の価値は常にローンの価値を上回ります。Aaveは担保として預かっている仮想通貨の価値が値下がりした場合、貸し手と流動性プロバイダーを損失から保護するために借入を制限しています。
ボラティリティが高い仮想通貨を担保にする場合、安定した仮想通貨を担保にした時より借入可能額が低くなります。
ローンには返済期限はありませんが、借りている金額と期間に応じて利息が発生します。また返済は借りた仮想通貨と同じ銘柄で返す必要があります。
Aaveでは同じブロック内で借入と返済を行うローンであるフラッシュローンも提供しています。
フラッシュローンでは、取引が成立しなかった場合は無効となります。
フラッシュローンはアービトラージの機会で利用するために設計されており、手数料として取引の0.09%が徴収されます。
Aaveのビジネスモデル
Aaveの収益は、仮想通貨の貸出による利息とフラッシュローンの手数料の2種類です。
借り手はAaveで仮想通貨の借入を行うと、仮想通貨の種類や時期に応じて利息が発生します。
またフラッシュローンを利用すると取引の度に0.09%の手数料が発生します。
これらの収益の一部を貸し手に還元することで、プール内に仮想通貨を集めています。
また一部の収益はプロトコルで保管しておき、仮想通貨が暴落して担保を清算しても赤字になる場合に利用されます。
まとめ
本記事では、DeFiの活用事例について解説しました。
実際の活用事例を見ることで、今までよりもDeFiのイメージが湧いてきたのではないでしょうか?
さらに深く理解したい人はDeFiサービスを実際に触ることをオススメします。
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参考文献
サムネはこちらより引用