BCG『メイプルストーリーN』が正式ローンチ NXPC急騰でWeb3ゲーム市場に熱視線

2025年5月15日、ネクソンが出資するNexpaceは、ブロックチェーンゲーム『メイプルストーリーN』を正式にリリースした。
これに伴い、同ゲームの基軸トークンであるNXPCは複数取引所で上場し、時価総額26億ドルを記録。Web3ゲーム市場における新たな注目銘柄として急浮上している。
歴史あるIPを武器にNXPCが急騰 『メイプルストーリーN』が示すWeb3ゲームの可能性
『メイプルストーリーN』は、22年の歴史を誇る人気MMORPG「メイプルストーリー」のIPを活用した初のWeb3ゲームである。
開発はネクソンが1億ドルを投資したNexpaceが手がけ、プラットフォームには高速処理と低コストを特長とするアバランチ(AVAX ※)ブロックチェーンを採用。
従来の2Dサイドスクロール型MMORPGの世界観を踏襲しつつ、モンスターを討伐して得たアイテムをNFT化し、キャラクターもレベル30以上で売買可能とする「真の所有権」システムを導入している。
リリースに先駆け、無料配布された「スクロールNFT」は170万件以上がミントされ、アバランチネットワークのアクティブアドレス数が急増。
オンチェーン活動もテスト期間中に30億件を超え、ユーザー維持率は47〜54%という高水準を達成している。
これらの実績が市場の信頼感を押し上げ、NXPCはバイナンスやBybitなどの主要取引所に上場、初日に20億ドル超の取引量を記録し、時価総額は26億ドルに達した。
Nexpace社のCEO、スンヨン・ファン氏は「メイプルストーリーNは単なる新作ゲームではなく、ゲーム史の新章となる」と強調していた。
※アバランチ(AVAX):取引処理速度とスケーラビリティに優れる次世代ブロックチェーンプラットフォーム。
認知度と収益性の両立へ 『メイプルストーリーN』が切り拓くWeb3ゲームの次段階
『メイプルストーリーN』の躍進は、既存ファン層とWeb3コミュニティの融合に成功した点が大きい。
人気IPによる認知度の高さと、NFTによるアイテム資産化、プレイ成果を経済価値に変換できるシステムは、新規ユーザー層をも取り込む要素として機能している。
一方で、NFTやトークンを用いたゲーム経済圏は、価格変動リスクや短期的な投機の温床となりやすい。
また、既存ファン層にとっては「ゲーム体験がマネタイズ重視になり、純粋な楽しさが損なわれる」という懸念も拭いきれない。
しかし『メイプルストーリーN』は、今後もWeb3ゲーム市場において重要なポジションを占め続けると予想される。
NXPCの価格動向についても、短期的な急騰後の調整局面が予想されるが、ユーザー基盤の拡大とともに安定成長を遂げる可能性が高いとみられる。
『メイプルストーリーN』は、単なるバズワードに留まらない「収益性あるWeb3ゲーム」の実例として、今後も注視されるだろう。