AI-OCRサービス「DX Suite」がAIエージェント機能を正式提供

2025年5月13日、AI inside株式会社は、AI-OCRサービス「DX Suite」にAIエージェント機能を正式追加したと発表した。これにより、データ入力業務の前後工程まで自動化が可能となり、業務効率に大きな変革をもたらす見通しだ。
AIエージェントの正式提供で、入力業務全体を自動化する新たな段階へ
AI inside株式会社は、人工知能技術を活用した業務効率化サービスを手がけており、その中核製品である「DX Suite」は、OCR(光学文字認識)(※)機能において高い評価を得てきた。同社は今回、これまで一部ユーザーのみに限定されていたAIエージェント機能を、2025年5月13日より全ユーザー向けに正式提供したと明らかにした。
AIエージェントは、これまで手動で行われていた読み取り項目や範囲の設定を自動で最適化し、ファイルのアップロードからデータ取得、処理完了までの一連の作業を自律的に実行する。
クラウドストレージとも連携しており、Google Driveなどにアップロードされたファイルを自動で検知・処理する機能も備える。特に、手書き文字の読み取り精度に優れており、従来は人手を介して行っていた煩雑な書類データ化作業の負担を大幅に軽減する構造となっている。
さらに、直感的なUI設計により専門知識が不要で、導入からすぐに業務に活用できる点も強みだ。AIエージェントには個別に名前を付けることもでき、現場への定着が自然に進む工夫も施されている。
※OCR(光学文字認識)(※):画像や紙媒体に記載された文字情報をスキャンし、コンピュータで扱えるデジタルデータとして抽出する技術のこと。
LLMの強化と市場動向が示す、DX Suiteの進化と競争力
DX Suiteは今後、AI insideが独自開発を進めるLLM(大規模言語モデル)(※)との連携強化により、さらなる進化を遂げる予定だ。
非定型帳票の認識精度が向上するほか、OCR後のデータチェック機能も拡充される見通しである。これらの進化は、業務の自動化領域において一層の価値をもたらす可能性が高い。
市場では、すでに他社も類似のAI-OCRソリューションを展開しているが、DX Suiteは自動化の範囲と精度、そして実用性のバランスにおいて一歩抜きん出ていると考えられる。
今後、業務のデジタルシフトが加速する中で、DX Suiteのような自動化ツールは企業の業務基盤に不可欠な存在となるだろう。単なるOCRツールにとどまらず、「業務を覚えるエージェント」としての立ち位置を確立することで、DX Suiteは次の時代の業務インフラとなる可能性を秘めているといえる。
※LLM(大規模言語モデル):膨大なテキストデータを学習したAIモデルであり、自然言語処理タスクにおいて高い精度を発揮する技術のこと。