NFT資金×Web3時代の共創型IPアニメ「新星ギャルバース」、今夏公開へ

2025年5月8日、NFTを活用して誕生した日本発のオリジナルアニメ「新星ギャルバース」が、2025年夏に公開予定であることが発表された。
本作は、クリエイターとファンが共創するというWeb3時代ならではの制作スタイルが注目を集めており、アニメ業界に新たな潮流をもたらす可能性がある。

NFT資金調達から始まった“ギャルバース”プロジェクト、ファン主導で進化する新世代アニメ

「新星ギャルバース」は、NFT（非代替性トークン）を活用したアニメ制作プロジェクトの象徴的な存在として、2022年に始動した。
クリエイターの大平彩華氏が中心となり、世界最大のNFTマーケットプレイスであるOpenSea上で4,000人以上のファンから支援を受け、資金調達を実現した。
クリエイターとファンの間に直接的な経済的・創造的つながりが生まれた点は、従来の制作手法とは一線を画している。

物語の舞台は、聖なる星「マザープラネット」が消滅し、混沌に包まれた銀河系。破片から新たに生まれた存在「ギャルバース」たちが、悪の組織「宇宙終末協会」との戦いを通じて銀河の秩序を取り戻す姿を描く。

特筆すべきは、1990年代のアニメ黄金期を彷彿とさせるノスタルジックなビジュアルだ。
キャラクターデザインを手がけるのは、代表作に「機動戦士ガンダムSEED」などを持つ石野聡氏。さらに、美術監督に劉洋氏（小倉工房）、脚本に高橋ナツコ氏と大久保昌弘氏を迎えるなど、実力派クリエイター陣が集結している。
アニメーション制作はS.o.K、プロデュースはARCHが担い、プロジェクト全体のクオリティを支えている。

共創で進化するアニメ制作、Web3時代のIPモデルは新たな標準となるか

「新星ギャルバース」が持つ最大の特徴は、ファン参加型の制作プロセスである。
大平彩華氏が明言しているように、本作は「視聴者を幼少期の記憶に引き戻す作品」を目指しており、そのビジョンはファンとの対話を通じて磨かれてきた。
制作初期から積極的にコミュニティとの交流が図られ、実際に衣装デザインや惑星名の命名にまでファンが関与している。
こうした双方向の制作スタイルは、Web3的な分散型の価値観を象徴する動きだと言える。

この共創型IP（知的財産）の在り方は、今後のアニメ制作やコンテンツビジネスに大きな示唆を与えるだろう。NFTによる支援が直接制作費となり、ファンの声がダイレクトに作品へ反映されることで、熱量の高い支持が継続的に得られる構造が形成されている。
結果として、グッズ展開やイベントなどの周辺ビジネスにおいても、エンゲージメントの高いファン層を活かした展開が期待できるだろう。

Web3の仕組みとアニメーションが融合するこの試みは、単なる話題作にとどまらず、今後のスタンダードとなる可能性すらある。
「ギャルバース」は、その第一歩として、国内外のアニメ・クリプト業界から多くの注目を集めるだろう。