@cosme クチコミAI要約機能の対象商品を拡大

2025年5月8日、国内最大級の美容プラットフォーム「@cosme」を運営するアイスタイルが、同アプリにおける「クチコミAI要約」機能の対象商品を約3000点に拡大したと発表した。
AI活用により、膨大なクチコミをスマートに要約
アイスタイルが展開する「@cosme」は、1999年のサービス開始以来、化粧品・美容分野における国内最大の情報基盤へと成長してきた。
月間訪問者数は約1780万人に達し、取り扱う商品は40万点超、登録ブランドは国内外含めて約4万4000にのぼる。累計クチコミ数は2025年時点で2080万件を突破しており、生活者にとって「クチコミ」は信頼できる購買判断材料として機能している。
実際に、2024年1月に実施されたアンケート調査では、すべての年代で「クチコミ」が最も参考にされる情報源として選ばれた。
しかし、SNSや動画レビューなど複数のメディアに日常的に触れる中では、膨大な情報から必要な要素だけを抽出するには時間と労力がかかるという課題があった。
この状況を受けて、アイスタイルは2024年10月よりアプリ内に「クチコミAI要約β版」を導入した。AIが商品ごとに投稿されたクチコミを要約し、エッセンスを短く表示するという機能だ。
そして今回、ユーザーからのフィードバックと利用状況を踏まえ、対象商品を大幅に拡大した。現在では約3000点の人気商品ページでAI要約が活用されており、今後は正式版のローンチも視野に入っている。
AI活用で広がる美容プラットフォームの可能性
AI要約機能の拡張により、「@cosme」のユーザーは、数百件に及ぶクチコミを一つひとつ確認せずとも、商品評価の傾向や使用感、長所・短所といった重要ポイントを短時間で把握できるようになった。
時間の限られたビジネスパーソンや、効率を重視するユーザーにとって、購買までのプロセスは格段にスムーズになるだろう。
また、この機能は単なる時短ツールにとどまらないと思われる。
クチコミに含まれる多様な価値観やニーズを抽出することで、ブランド側にとっても製品開発やマーケティング施策のヒントが得られるようになるだろう。AI要約は、消費者と企業の双方向コミュニケーションを促すメディアとしての役割も果たし始めていると言える。
アイスタイルは今後もAI技術を核とした機能開発を加速させ、「生活者とブランドの最適な出会いを生むプラットフォーム」へと進化していく構えだ。商品との出会いに偶然性を持たせつつ、効率性とパーソナライズの両立を図る同社の戦略は、他業種のプラットフォームにも波及する可能性があるだろう。