AIエディタCursor、学生向け「Pro」プラン1年間無料で提供開始

2025年5月7日(日本時間)、米Anysphere社は、同社AIエディタ「Cursor」の有料プラン「Pro」を学生向けに1年間無料で提供を始めた。
日本を含む世界中の高校・大学・専門学校の在籍者が対象で、学生認証を行うことで無償利用が可能になる。
AI補完と高性能モデルの活用が無料に
Cursorは、自然言語での指示からコードの生成・修正が行えるAIエディタとして開発者に人気を博している。
その開発元である米Anysphere社は今回、教育支援の一環として、学生向けに有料プラン「Pro」を1年間無料で提供する取り組みを開始した。
対象は、世界中の高校・大学・専門学校に在籍する学生であり、簡単な学生認証を通じてProプランの登録が行える。
Proプランでは、無制限のAIによるコーディング補完機能に加え、OpenAIの最新モデル「GPT-4o」やAnthropicの「Claude 3.7 Sonnet」といった高性能AIモデルを活用した高速処理が月500回まで利用可能となっている。
これにより、単なるコード補完にとどまらず、文法修正や構文の最適化、複雑なアルゴリズム構築といった高度な作業も効率化できる環境が整う。
さらに、処理回数を超過した場合でも低速処理は無制限に利用でき、追加料金が発生する可能性がある点を除けば制約は少ない。
すでに有料Proプランを契約している学生ユーザーに対しても配慮がなされており、学生認証を完了することで即座に無料利用へ移行できる。
さらに、未使用の期間分に相当する料金は自動的に返金される措置も導入されており、公平性と柔軟性を確保した対応といえる。
開発者ツールとしての地位強化と今後の展望
Cursorは、コードの記述を効率化するだけでなく、自然言語による指示から仕様に基づいたコードを自動で生成できる点で、従来のエディタとは一線を画している。
この特徴が、AIによるソフトウェア開発支援の波と相まって、特にエンジニア志望の学生や新卒開発者層から注目を集めてきた。
学生向けに1年無料で提供される今回の施策は、将来的な有料ユーザーへの転換を見据えたブランディング戦略としても機能していると言える。
Cursorは、学習用途としてだけでなく、インターンシップやプロジェクト開発といった実務にも対応できる性能を備えており、教育から実践までを一貫してサポートする基盤を形成している点が評価されている。
競合となるAIエディタが増加する中で、Cursorは利便性と性能の両面でリードしており、今回の無償提供を契機にさらなるシェア拡大を狙っていると見られる。
教育機関との連携や学生コミュニティとの接点を強化することで、将来の開発者層の獲得を図る動きが加速しそうだ。