フランクミュラーが新作発表 Solanaモデルの限定版Web3腕時計

2025年4月30日、スイスの高級時計ブランド「フランクミュラー」が、ブロックチェーンプラットフォームSolana(※)をテーマにした限定版腕時計をリリース予定であると発表した。
Web3インフラとの連動やQRコード刻印といった独自仕様が注目されており、5月22日の詳細発表を前に業界関係者の関心を集めている。
Solanaネットワークと融合する限定モデル
フランクミュラーが手がけるWeb3対応ブランド「フランクミュラーエンクリプト」は、Solanaブロックチェーンをテーマにした新作腕時計を近日公開予定であることを明らかにした。
今回のモデルでは、文字盤にSolana関連のQRコードがレーザー刻印されており、これが最大の特徴とされる。
過去にリリースされたビットコイン(BTC)モデル同様、暗号資産の残高表示や入金確認といった基本機能を備える可能性が高い。
このSolanaモデルの供給数は、Solanaネットワーク上のノード数に応じた限定生産となる予定であり、分散型技術を象徴するコンセプトに仕上がっている。
単なる装飾品としての時計ではなく、ブロックチェーンの思想や構造をデザインへ落とし込んだアプローチといえる。
今回の限定モデル発表の背景には、同ブランドが2019年に発表したビットコイン対応モデルの成功がある。
そのモデルはUSBコールドウォレットが付属しており、資産管理ツールとしての実用性もあることが話題を呼んだ。
今回のモデルにおいても、所有者のSolanaアドレスを刻印するパーソナライズ機能などが導入される可能性があるが、詳細は5月22日に予定されている正式発表を待つ必要がある。
※Solana(ソラナ):高速処理と低手数料を特徴とするパブリックブロックチェーン。分散型アプリケーションやNFT、DeFiなど幅広い用途で活用されている。
Web3とブランドの組み合わせのポテンシャル
フランクミュラーがWeb3技術を再び腕時計へ組み込む試みは、伝統技術とデジタル技術の融合が本格化しつつあることの一例として捉えることができる。
特にQRコードを媒体としたデジタル資産の可視化は、所有者に“見る資産”としての新たな価値を提供するだろう。
単なる希少性や美的価値にとどまらず、暗号資産とのインターフェースとしての機能を有している点も、注目すべき点だ。
時計を通じて自らのウォレットを提示し、ブロックチェーン上の資産とのつながりを「装着」する体験は、従来のラグジュアリーとは異なるステータス形成を生む可能性がある。
一方で、こうしたプロダクトは、資産性や投機性が先行するリスクも孕んでいる。
過度な期待値が市場に波紋を広げる懸念もあるため、ブランドとしては長期的な実用性と技術的な信頼性をどう担保するかが問われる。
とはいえ、ブランド的価値の高いフランクミュラーWeb3とコラボすることによるインパクトは小さくないだろう。
5月22日の詳細発表を契機に、他の高級ブランドもこの分野に本格参入する兆しが見えてくるかもしれない。