にぼしいわし、生成AIを活用した新ネタ 「生成AI演芸会 by GIFTech」で披露

2025年4月27日、東京都内で開催された「生成AI演芸会 by GIFTech」で、女性お笑いコンビ「にぼしいわし」が生成AIと共創した新作漫才を披露した。
生成AIとの共創で生まれた革新 「にぼしいわし」が見せたネタ作りの未来
「生成AI演芸会 by GIFTech」は、エンジニアの創造性を刺激し、モノ作りの喜びを再発見することを目的に開催されたイベントである。東京都内で2025年4月27日に実施され、プロのエンターテイナーたちが生成AIを活用したプロダクト開発の成果を披露した場となった。
このイベントに登壇したのは、2024年の「女芸人No.1決定戦 THE W」で優勝した実績を持つ女性お笑いコンビ「にぼしいわし」だ。
香空にぼしと伽説いわしの2人は、生成AIによる新たなネタ作りに挑戦した。使用したのは「ささAI」と呼ばれるツールで、AIが生成した3種類のキャラクター「AIにぼし」から着想を得る仕組みだ。
通常であれば、漫才のネタ作りには1日から2日を要するが、今回はAIの支援により、わずか2時間で完成に至ったという。披露されたネタのテーマは「神社の参拝」であり、さい銭やクラウドファンディングを巡る現代風刺を織り交ぜ、観客からは大きな笑いを引き出していた。
いわしは「今後もAIを使いたいし、芸人仲間には絶対言いたくない」と語っており、生成AIによる制作支援の効率性を強く実感している様子がうかがえた。
芸人ならではの創造的な発想とAIによる膨大なアイデア提供が融合することで、エンターテイメントの可能性がさらに広がっていくことが示唆されたと言える。
エンターテイメント×AI時代の幕開け クリエイティブのあり方はどう変わるか
今回の「生成AI演芸会 by GIFTech」は、エンターテイメント分野における生成AIの可能性を広く示すものとなった。AIが単なるツールではなく、共創パートナーとして機能し始めていることが、にぼしいわしの成功例からも明らかになったのである。
特に注目すべきは、創作時間の劇的な短縮だけでなく、アイデアの多様性が飛躍的に広がった点にある。AIが人間では思いつかないような発想を提示することで、芸人たち自身のクリエイティビティを刺激する効果も生まれている。
ただし、すべてをAI任せにするリスクも存在し、芸人自身の個性や表現力とのバランスを取ることが今後の課題になると考えられる。
こうした試みは今後さらに拡大するとみられ、エンターテイメント業界におけるAI活用の潮流を加速させる契機となるだろう。新たな表現手法の登場によって、観客の期待も一層高まる時代が目前に迫っている。