ワイヤレスカー、日本初披露のコネクテッド技術で自動車の未来を加速　「人とくるまのテクノロジー展2025」

2025年5月21日から23日まで横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展」にて、スウェーデンのワイヤレスカーが日本初となるコネクテッドカー（※）技術を発表することが、4月24日に発表された。
AI予測メンテナンスやソフトウェア定義型車両（SDV）、大規模言語モデル（LLM）活用アシスタントなど、次世代モビリティ社会に直結する革新技術が一挙に公開される予定だ。

未来のモビリティを切り拓く　ワイヤレスカーの新技術

ワイヤレスカーは、1999年の設立以来、1500万台以上のコネクテッドカーにサービスを提供してきた実績を持つ。ジャガー・ランドローバーやメルセデスベンツ、ボルボカーズといった名だたる自動車ブランドとの提携を重ね、業界での地位を確固たるものにしている。

今回の発表で注目すべきは、AIと機械学習を駆使した予測メンテナンス技術だ。
また、ソフトウェア定義型車両（SDV）向けの開発事例も発表される予定だ。
SDVとは、従来のハードウェア主導型自動車から脱却し、ソフトウェアを通じて機能のアップデートやカスタマイズを可能とする概念である。これにより購入後も車両の価値を継続的に高めるエコシステムが構築できると期待される。

さらに大規模言語モデル（LLM）を活用した新しい車載アシスタント「Wireless Buddy」も紹介される予定だ。
これはユーザーとの自然な対話を通じ、よりパーソナライズされたドライビング体験を提供する設計になっており、自動車とドライバーとの関係性を根本から変える可能性を秘めている。

今回の展示では位置情報分析、デジタルキー管理、スマートEVルーティング、さらにはサイバーセキュリティとデータプライバシー対策にも焦点が当てられる予定だ。

デジタル化が加速する自動車業界　ワイヤレスカーの技術が描く未来

今回ワイヤレスカーが発表する新技術群は、単なる機能向上にとどまらず、自動車というプロダクトそのものを「進化し続ける存在」へと変貌させるポテンシャルを持つと考えられる。

AIによる予測メンテナンスは、メンテナンスというシステムの「事後対応」から「予防型管理」へのパラダイムシフトを促す可能性が高い。故障リスクの低減は、ユーザーの安全性向上だけでなく保険業界やフリート管理にも大きな影響を与えると考えられる。

また、SDVの普及は自動車メーカーにとって新たな収益モデルをもたらすことが予想される。従来の製造販売中心のビジネスから、ソフトウェアアップデートによる継続的なサービス提供モデルへの移行が加速するだろう。

ワイヤレスカーのCEOニクラス・フローレン氏、ならびに副社長テオハン・ジャンセン氏も来日予定であり、講演を通じてこれら新技術のビジョンを直接語る機会が設けられる見通しだ。
業界全体が注視するなか、日本市場におけるワイヤレスカーの存在感は今後ますます高まることになるだろう。

※コネクテッドカー：インターネットや通信機能を活用して外部と接続し、リアルタイム情報共有や各種サービスを提供する自動車を指す。