OpenAI、軽量版「Deep Research」をリリース 高速かつ無料ユーザーにも利用可能

2025年4月24日(米国時間)、米OpenAIは、ChatGPTのウェブ検索機能「Deep Research」の軽量版を発表した。
同時に、これまで有料ユーザーのみが利用可能だったDeep Researchが無料ユーザーにも開放されることになり、注目を集めている。
OpenAI、軽量版「Deep Research」を発表
OpenAIはX公式アカウントを通じて、ChatGPTに新たな機能拡張を実施したと発表した。それが軽量版Deep Researchのリリースだ。
2025年2月に発表されたウェブ検索機能Deep Researchを簡易化したバージョンであり、最大の特徴は無料ユーザーでも利用可能になった点にある。
Deep Researchは、ユーザーからの質問やリクエストを受け、ChatGPTがウェブをブラウジングして最適な情報源を選び、詳細なレポートとして提供する機能だ。
レポートの専門性や質の高さが評判を集めたが、利用可能なのは有料プランユーザーに限られ、かつクエリー数にも厳しい制限が課されていた。
Proユーザーであっても月間120件、他は10件までという制約があったうえ、結果の作成には30分を要する場合も珍しくなかった。
これに対して軽量版では、無料ユーザーも月5件まで利用できるほか、Plus、Team、Eduプランでは月25件(完全版10件、軽量版15件)、Proプランでは月250件(完全版125件、軽量版125件)の使用が認められる。
Enterpriseプランは引き続き完全版のみとなるが、月10件と設定された。
さらに、完全版の使用回数を使い切った場合、自動的に軽量版に切り替わる仕様となっている。
処理速度においても、軽量版は完全版に比べて顕著に向上しており、迅速な情報取得が可能となった。
ディープリサーチ機能の競争が激化
OpenAI社がDeep Research機能を発表して以降、競合も次々と類似の機能を打ち出している。
Googleの「Gemini」、Perplexity AIの「Perplexity」、xAIの「Grok(DeepSearchという名称)」などが類似の機能を搭載している。
OpenAIが軽量版を無料開放した狙いとしては、従来アクセスできなかった層にも、高度なAI検索技術を体験させ、ユーザー基盤の拡大を見込んでいるものと思われる。
ただ、競争激化により他社の進化も加速するため、単なる無料開放ではユーザーの囲い込みには限界があると考えられる。今後さらなる差別化が必要になるだろう。
今後、AIを利用したリサーチ機能の標準化が進み、カスタマイズ性や、リアルタイム性を高める方向に進化すると見られる。
また、競合各社との競争激化に伴い、ユーザーにとっては選択肢が広がる一方で、サービスの質を見極めるリテラシーが一層求められる時代が到来すると考えられる。