トゥモロー・ネット、複数AI連携で業務を自動化する「CAT.AI マルチAIエージェント」を7月提供開始へ

2023年4月25日、トゥモロー・ネットは、複数のAIが連携して業務を自動化する新機能「CAT.AI マルチAIエージェント」を発表した。
提供開始は2025年7月を予定しており、ビジネス現場の業務効率化と顧客体験の向上を目指す。
複数AIが連携し複雑な業務に対応
トゥモロー・ネットは、AIコミュニケーションプラットフォーム「CAT.AI」に新機能「マルチAIエージェント」を追加すると発表した。
従来の単一AIでは対応が難しかった複雑な業務プロセスに、複数の専門AIが連携して応えるシステムを実現。「リードエージェント」が司令塔となり、タスクを実行する「Operational AI」、LLMや拡張検索を担う「Generative AI」、ナビゲーション形式で手続きを進める「Navigational AI」を組み合わせる。
そして、必要な場面では有人エージェントが適切に対応する仕組みだ。
新機能の実装により、業務用途に応じたタスクの分担と並行処理が可能となる。
例えば、保険業界においては、契約者からの問い合わせに対し、Generative AIが規約情報をもとに回答を生成し、Navigational AIが追加情報を収集、Operational AIが手続きガイドを実施する、といった流れが実現できるという。
必要に応じて有人エージェントへの引き継ぎもスムーズに行われるため、顧客体験の質が格段に向上する見込みだ。
このプラットフォームの根幹には、独自開発の自然言語処理(※)技術と直感的なUIがある。
これにより、金融、保険、飲食、官公庁など幅広い分野への導入実績を持ち、今後さらに導入領域を拡大していくことが期待される。
※自然言語処理(NLP):
人間の言葉(自然言語)をコンピュータに理解・処理させる技術。質問応答、文章生成、翻訳など幅広い応用がある。
業務効率化とCX向上を両立
AIによる業務自動化へのニーズが高まる中、トゥモロー・ネットの「CAT.AI マルチAIエージェント」は、業界全体の期待に応える製品となり得る。
特に、問い合わせ対応やデータ処理といったルーチンタスクにおいては、AIによる並行処理が大きな効率化をもたらすと考えられる。
一方で、マルチAI連携に伴うシステム設計の複雑化や、エージェント間の適切な調整、エラー発生時のリスク管理といった課題も無視できない。
特に有人エージェントへの引き継ぎタイミングや、感情対応の品質維持は、運用フェーズでの重要な検討事項となるだろう。
トゥモロー・ネットは、7月から本格提供を開始するとしており、今後の展開によって、マルチAIエージェント型プラットフォームの新たなスタンダードを築く可能性がある。
市場の反応次第では、他社も同様のマルチAI連携型システムの開発に乗り出すことが予想される。