小型AIレコーダー「PLAUD」が日本市場で前年比21倍の急成長 法人向け事業を本格始動

2025年4月24日、AIデバイス企業PLAUDが、「PLAUD.AI メディアカンファレンス 2025」を開催し、PLAUD.AIブランドの2024年の振り返りや、今年の事業戦略などを発表した。
同社は、日本市場での売上を前年比21倍に伸ばし、法人向け事業「PLAUD for Business」を本格始動した。
AI音声レコーダー市場で急成長を遂げたPLAUD、日本での成功要因とは
PLAUDは、2021年に米サンフランシスコで設立されたAIネイティブハードウェア企業だ。
同社が開発した「PLAUD Note」および「NotePin」は、スマートフォンと連携し、音声録音、文字起こし、要約、マインドマップ作成などの機能を提供する。
2024年、日本市場において売上が前年比21倍となった。また、販売店舗数は全国280カ所に拡大し、国内ユーザー数は8万人を超え、出荷台数は世界第2位を記録した。
この急成長の背景には、製品の高い利便性と精度がある。PLAUD Noteは、GPT-4oやClaude 3.5 Sonnetなどの最新AIモデルを活用し、録音から文字起こし、要約までをワンタッチで実行できる。また、112カ国語に対応し、話者識別の機能を備えている。
PLAUDは、2025年の戦略として法人向け事業の拡大を掲げ、「PLAUD for Business」を立ち上げた。
このソリューションは、業界ごとの業務に対応するテンプレートやカスタマイズ可能な用語集、強化されたAI機能、チームコラボレーション機能などを提供する。
また、利用状況の分析や請求書の一括管理機能も備えており、企業の生産性向上を支援する。
セキュリティ面では、ISO 27001認証の取得やHIPAA(※)準拠の対応を進め、企業ニーズに応える体制を整えている。
※HIPAA:米国の医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律で、医療情報の保護に関する規定を定めている。
今後の展望
PLAUDが日本市場で急成長を遂げた背景には、ビジネスシーンにおける音声データ活用の需要拡大があると考えられる。
特にリモートワークやハイブリッドワークが定着する中で、会議内容の記録や共有を効率化するツールとしてAIレコーダーの存在感は増している。
一方で、競合製品の参入やAI技術の進化スピードを踏まえると、PLAUDが市場での優位性を維持するためには、継続的な機能強化とカスタマイズ性の向上が求められるだろう。
特に日本企業特有の業務フローや商習慣に対応した柔軟なソリューション提供が鍵になると予測される。
セキュリティ対策も重要な要素であり、ISO認証やHIPAA準拠への対応は、医療・法律・金融といった高い信頼性を求められる業界での普及に直結すると考えられる。
今後、PLAUDの成長は、単なるガジェットの枠を超え、日本企業の業務効率化を支えるインフラの一部となる可能性も秘めている。