AI使用を装った架空投資詐欺、三重・鈴鹿市の男性が245万円被害

三重県警鈴鹿署は2025年4月22日、鈴鹿市にて40代男性がSNSを通じて架空の投資話に巻き込まれ、現金約245万円をだまし取られる事件があったと発表した。SNSを悪用した詐欺の一環と見て捜査を進めている。
この事件は、AIや投資アプリを名目にした新手の詐欺手口が広がりを見せている現状を示すものだ。
AI活用と称した投資アプリ、SNS経由で勧誘 手口の巧妙化に警戒強まる
被害者は、投資関連のSNSを通じてLINEアカウントに追加した女性に、架空の投資話を持ちかけられた。
女性は「AIが自動で株を売買するAI量子資産形成プランというシステムがある」「利用するためには元手を支払うだけでいい」とシステムの利用をすすめたという。
男性は指示に従い、投資アプリをダウンロードし、3月4日から4月7日にかけて計5回にわたり指定口座に合計245万円を送金。アプリ内では架空の利益が表示され、資産が増えていく様子が演出されていたという。
ところが、利益を引き出そうとした際、多額の手数料を請求される。不審に思った男性は警察に相談し、詐欺の可能性が浮上した。
SNS起点の投資詐欺が増加 「簡単・高収益」の甘言に潜むリスクとは
今回の事件は、SNSを起点とした投資詐欺の典型例といえる。特にAI技術が浸透する現代において、「AIによる自動運用」「高利回り」などのキーワードは、情報感度の高いビジネスマン層にとって魅力的に映る。だがその一方で、こうした先進技術を装い、実態のない仕組みに資金を誘導する詐欺の手口が巧妙化している。
過去にも、SNSやチャットアプリを使って信頼関係を築いたうえで投資を勧誘し、利益を装ったアプリで資金を吸い上げる事件が多数報告されている。特に「引き出し時に手数料を請求する」構図は詐欺の常套手段であり、今回もそれが決定打となって被害者が異常に気付いた。
今後も同様の詐欺が広がるおそれがある中で、ユーザーには冷静な情報判断と第三者への相談が求められる。