Pacific Metaが挑むRWAトークン化 保有資産デジタル化

2025年4月23日、国内外のWeb3事業を展開するPacific Metaは、企業向けの現実資産(RWA)トークン化ソリューションを提供開始したと発表した。不動産や音楽、カーボンクレジットといった多様な資産のデジタル化を支援し、資産の小口化や流動性向上を通じて、投資機会の拡大を図る狙いがあるとみられる。
包括的な支援体制と規制対応で企業の資産活用を加速
Pacific Metaが発表したRWA(Real World Asset)トークン化ソリューションは、現実世界に存在する資産をブロックチェーン技術を用いてデジタル化し、取引の効率化と市場拡大を支援するサービスである。
同社はWeb3領域に特化したコンサルティングとマーケティング支援を展開しており、今回の取り組みを通じて企業の資産運用方法に変革をもたらす考えだ。
本ソリューションは、単なる技術提供にとどまらず、規制対応やコミュニティ運営までを一貫して支援する点が特徴である。
サービス展開にあたり、日本発の規制対応済みNFTマーケットプレイス「Sonova(ソノバ)」と提携している。Sonovaはイーサリアムのレイヤー2ブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」を基盤としており、今年1月に運営開始されている。
これにより、法規制に準拠した形でトークン化資産の発行・流通が可能となり、企業は安心してデジタル資産市場に参入できる環境が整えられている。
対象とする資産は、不動産、映画やアニメ、音楽、エネルギーインフラ、カーボンクレジットなど多岐にわたり、企業の保有資産をデジタル化することで、従来アクセスが難しかった投資家層との接点が生まれる。
これにより、資産の小口化が進み、より少額の投資が可能となることで、グローバルな市場での流動性向上が期待されている。
Web3市場拡大への布石 新たなビジネスモデル創出にも期待
Pacific MetaのRWAトークン化ソリューションは、単なる資産のデジタル化にとどまらず、コミュニティ運営を通じた新たなビジネスモデルの創出にも寄与すると考えられる。
トークンを保有する投資家同士がオンライン上でつながり、資産の価値向上や共有利益を生み出す仕組みは、従来の資産運用にはなかったアプローチだろう。このようなコミュニティ型の資産運用は、Web3ならではの特徴といえる。
一方で、RWAトークン化市場は世界的に見ても発展途上であり、法規制や市場整備の動向が不透明な側面が残る。
加えて、アニメや音楽といったクリエイティブ資産のトークン化については、著作権管理や収益配分の透明性確保が求められるため、運用面での調整が必要になってくると考えられる。
こうしたことを踏まえ、今後は実績が積み重なることで、国内外の企業や投資家が参加しやすい環境が整っていくことを期待したい。
規制対応済みのマーケットプレイスを活用することで、法的なリスクを回避しつつ、新たな市場開拓が進む可能性もあるだろう。
こうした動きは、従来型の資産運用モデルに変化をもたらす契機となり得る。