UAE通信大手du、マイクロソフトと約5.4億ドルの契約締結 デジタル基盤強化へ

2025年4月22日、アラブ首長国連邦(UAE)の通信会社duが、米マイクロソフトと大規模データセンター運営に関する契約を結んだと発表した。
契約額は約5億4454万ドルにのぼり、UAEのAI分野とデジタル戦略を後押しする動きとして注目を集めている。
UAEのデジタルエコシステムを支える基盤整備
du(エミレーツ・インテグレーテッド・テレコミュニケーション)は、UAE国内で5つのデータセンターを展開する、UAE国内の通信インフラの要だ。
今回のマイクロソフトとの契約は、クラウドコンピューティングとデータストレージの中枢機能を担うもので、マイクロソフトがメインテナントとして施設の運用に関与する。
契約締結は、ドバイAIウィークの開催中に行われたことも象徴的で、国家を挙げたAI推進政策と深く関係している。
duのCEOは、この契約を「UAEでデジタルエコシステム革命を起こすという戦略的目標を達成する上で極めて重要な変化だ」と評した。
国全体がAIを含むテクノロジー領域への集中的な投資を続けており、今回の取り組みもその文脈に位置づけられる。
マイクロソフトは世界有数のクラウドプロバイダーであり、AI技術における先進性を持つ。
両社の協業は、単なる施設運営を超えた技術・知見の共有にもつながる可能性がある。
今後の展望
今回の投資によって、UAEのテック分野に対する信頼が強まり、国外からの投資も誘発する要因となると見られている。
AIインフラに特化したデータセンターの強化は、国内のスタートアップや研究機関にとっても実用的恩恵をもたらすだろう。
一方で、競合する通信・テクノロジー企業にとっては、差別化を迫られる局面でもある。
グローバル企業との連携が進む中で、各社は独自のソリューションやパートナーシップ形成を急ぐ必要がある。
UAEはAI分野の重要拠点になることを目指し、多額の資金を投じており、UAEが中東地域におけるデジタルハブとしての地位を確立する動きは続くと予想される。