マイクロソフトがEDIX東京に出展 生成AIとMinecraftの教育活用を披露

2025年4月23日から東京ビッグサイトで開催される「第16回 EDIX(教育総合展)東京」に、日本マイクロソフト株式会社が出展するとし、詳細を出展情報サイトに公開した。生成AIやMinecraftを活用した先進的な教育事例を紹介し、児童や学生との共創を通じてGIGAスクール構想(※)の今後を提案する内容となっている。
児童とつくる未来の教育 生成AIやMinecraftを用いた実践事例を公開
今回のEDIX東京におけるマイクロソフトの出展テーマは、「AI in Education みんなで創るGIGAの未来」である。
同社ブースでは、Microsoft 365 Educationや、生成AI「Copilot」による業務負担の軽減などを提案。
また、学習支援機能「Learning Accelerators」のデモを交えながら、教育現場における技術活用の具体例を提示していく構えだ。
注目を集めそうなのが、日替わりで実施される特別セミナーである。4月23日には、東京学芸大学附属小金井小学校の鈴木秀樹氏と児童が登壇し、「Copilotが刺激する児童の思考」と題した公開授業が実施される。
翌24日には、東京大学のタツナミシュウイチ氏と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宮崎直美氏による「ルナクラフト」ワークショップが展開される予定である。これはMinecraft内での宇宙開発をテーマとした取り組みで、創造性と学際的学習を融合させた実践例となっている。
最終日の25日には、Minecraftカップ全国大会の受賞作品が披露され、青森県立弘前高等学校、神山まるごと高等専門学校、さいたま市立岸中学校の生徒が登壇する。
いずれの事例も、子どもたち自らがデジタルツールを用いて主体的に学びを深める様子を体現しており、教育現場におけるICT利活用の深化を印象づける内容だ。
教育の現場に広がるAI活用の可能性と課題
生成AIやMinecraftの導入は、単なる教材のデジタル化を超え、教育方法そのものを再定義しつつある。
マイクロソフトの展示では、Copilotによる文章生成支援や、AIによる画像・動画編集ツールも紹介され、こうした機能は教員の業務負担軽減や生徒の表現力向上に寄与する可能性があるとみられている。
また、AIが生徒の学習状況をリアルタイムで分析し、個別に適した課題や助言を提示する「Learning Accelerators」は、従来の一斉授業では難しかった個別最適化に資するものと位置づけられるだろう。
とはいえ、現段階ではAIやゲーム的要素の導入に対する現場の戸惑いや、教員のリテラシー格差といった課題も残ると考えられる。
マイクロソフトの試みは、こうした課題に対する実践的な提案であり、今後の教育改革において重要な材料となりそうだ。
AIの進化とともに教育現場も変容を遂げる中、子どもたちの創造性を引き出すツールとしてのAIの可能性は、未来の学びの在り方そのものを大きく塗り替えていくだろう。
※GIGAスクール構想:文部科学省が推進する、小中学生に1人1台の端末と高速通信ネットワークを整備し、個別最適な学びを実現するための取り組み。
EDIX 東京 2025 – マイクロソフト出展情報:https://www.microsoft.com/ja-jp/biz/education/edix2025