GetBlock、AIエージェント特化RPCインフラを提供 Web3開発を後押し

2025年第2四半期に、ブロックチェーンインフラプロバイダーのGetBlockは、AIエージェント向けに特化したRPCノードインフラの提供を発表した。
Web3とAIの融合が進むなか、AIエージェントの分散型アプリ活用を後押しする基盤として注目されている。
自律型エージェントとdAppをつなぐ即時通信基盤、GetBlockが提供する新しい開発環境
AIエージェントは、ユーザーに代わって自律的に意思決定や処理を実行するソフトウェアであり、Web3領域ではその利用が急速に広がっている。
GetBlockが構築するRPC(※)ノードインフラは、これらのエージェントが複数のブロックチェーンとリアルタイムで接続し、処理を行うための通信基盤として機能する。
新インフラは、2025年第2四半期に提供開始が予定されており、SolanaやEthereumをはじめとする75以上のブロックチェーンに対応。
開発者は設定を最小限に抑えたまま、マルチチェーン環境にアクセスできる「プラグアンドプレイ型」の構成となっている。
API統合の自由度も高く、OpenAIやClaudeなどの大規模言語モデル(LLM)と連携させることで、DeFiの自動リバランス、NFT価格予測、DAO投票への即応といった高度なタスクが可能となる。
ユーザー認証はMetaMaskやGoogleアカウントで簡易に行える設計で、実装コストの削減も見込める。
※RPC(リモート・プロシージャ・コール):プログラム間で関数や手続きをリモートで実行できる通信方式。
Web3インフラの競争軸は「速度と信頼性」へ──GetBlockが描くAI統合時代の展望
GetBlockは、2024年にCoinGeckoが発表したインフラレビューで世界のRPCノードプロバイダーの上位5社にランクインしている。
特にSolanaネットワークにおけるRPCエンドポイントの速度においては、「市場最速」との評価もあり、業界内での信頼性を確立しつつある。
この評価背景には、ノード分散構成による可用性の高さと、APIレスポンス速度の最適化がある。
今後は、AIエージェントの急増によってAPIトラフィックが増大することが予想されるが、GetBlockはそれに対応したスケーラブルなアーキテクチャの導入を計画している。
一方で、エージェントの判断にブロックチェーン上のデータがそのまま用いられる場合、誤検出やセキュリティリスクへの配慮も不可欠となる。
こうした課題に対し、GetBlockは今後、データフィルタリング機能やノードレベルでの異常検知の導入を進める可能性が高い。
AIとブロックチェーンの融合がWeb3経済の中核となりつつある現在、GetBlockのインフラは開発者とエージェント双方にとって、信頼性と拡張性のある接続点として機能し続けるだろう。