Microsoft、Edge全ユーザーに「Copilot Vision」を無料開放 AIブラウジング支援が本格始動

2025年4月17日(米国時間)、MicrosoftはAI機能「Copilot Vision」をウェブブラウザ「Edge」の全ユーザーに無料提供すると発表した。米Microsoft AIのCEOであるMustafa Suleyman氏がSNS「Bluesky」で投稿したものだ。
ブラウジング中のWebページをAIが即時に理解・要約し、ユーザーの問いかけに応じて支援を行うことができるようになる。
Copilot VisionがEdge全体に拡張
Microsoftが無料提供を開始した「Copilot Vision」は、もともと2024年10月に試験的に導入され、その後、2024年12月より有償プラン「Copilot Pro」の特典として一部のユーザーに限定されていた。
今回の発表でその制限が解除され、Microsoftアカウントを持つすべてのEdgeユーザーが追加費用なしで利用可能となる。
Copilot Visionは、ユーザーが閲覧しているWebページをAIが自動で検出・分析し、要点を要約したり、内容に関する質問に回答したりできる。
Suleyman氏は「Edgeがユーザーと同じ画面を“見る”ことで、説明やコピー&ペーストの煩わしさから解放される」とその利便性を強調している。
具体的には、Amazonなどのショッピングサイトではニーズに合った商品の提案、レシピサイトでは調理手順の案内、求人情報では履歴書作成のアドバイスなど、ユーザーの文脈に即した支援が可能だ。
なお、Copilot Visionは悪質または成人向けのコンテンツを含むページでは動作しない。
対象外のサイトにアクセスした場合、Copilotのアイコンが灰色となり、内容の説明が拒否される仕様になっている。
プライバシーへの配慮も明示されている。
ユーザーの入力内容や閲覧ページ、画像データはログには記録されず、セッションが終了するとすべてのデータは削除される。
記録に残るのはCopilotの応答のみという運用方針が取られている。
AI搭載ブラウザの潮流
Copilot Visionの一般開放は、AIによる情報支援を日常的なブラウジング体験に統合するという点で画期的だと言えよう。
ユーザーはWebページを読むだけでなく、文脈をAIに即時解釈させ、要点を抽出したり関連情報を得たりすることが可能になる。情報収集の効率が飛躍的に向上することが見込まれる。
特に専門的な情報や複雑な文書に対するアクセス障壁が下がる点は、情報格差の是正にもつながりうるだろう。
一方で、Webページの意図やニュアンスをAIが誤解した場合、それを鵜呑みにすることで誤った判断に至るリスクもある。
使う側のリテラシーは今後より問われていくことになるだろう。
今後は、他のブラウザもAI支援機能を搭載する方向に進むと考えられる。
Google ChromeにおけるGeminiとの連携強化などの動きからも、AI搭載ブラウザ競争は今後激化していく見通しだ。