インターパーク、札幌の高校でChatGPT講座を実施 生成AIが学術論文の質を左右する時代

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株式会社インターパークは2025年4月15日、北海道札幌市の市立札幌旭丘高等学校において、同校データサイエンス科の3年生約80名を対象とし、特別講座「ChatGPTを活用した学術論文の精度向上」を実施すると発表した。
探究学習に生成AIを 論文精度向上を支援する実践的講座の狙い
本講座は、探究学習の一環であり、高校生が直面する学術的な課題解決を支援することが目的とされている。
講座では、生成AIによる情報収集の効率化や、文章構成の工夫、プロンプト設計の重要性などが扱われる予定だ。
特に注目されるのは、AIの出力内容をどのように評価し、どのように信頼できる情報として取り込むかという視点である。
インターパークは、自社のクラウドアプリ開発においてもAIやノーコード技術を積極的に活用しており、そうした現場で培ったノウハウが教育現場に持ち込まれる形だ。
札幌旭丘高校では、数理データサイエンス科学科の3年次に、研究成果を論文としてまとめるカリキュラムが組まれている。
今年度はその内容と精度を一段と高めるため、生成AIを導入する決断が下された。
学科長の坂庭康仁氏は、「生成AIを活用するスキルは将来すべての職業で必要になる」と語り、今後の教育においてAIとの向き合い方を整備していく考えを示している。
インターパーク代表取締役社長、舩越裕勝氏は「地元札幌で生成AIの可能性を高校生に伝えられることを大変光栄に思う」と語り、今後は1・2年生への講座展開も視野に入れているとした。
地域発のDX推進が教育を変える 地元企業と学校の連携がもたらす可能性
この講座の実施は、インターパークが掲げる「地域DX宣言」の一環でもある。
地元・札幌に拠点を置く同社は、地域に根ざしたデジタル人材の育成を中長期的な事業テーマとして掲げている。
生成AIの社会実装が急速に進む中、教育現場におけるAI活用は今後ますます重要性を増すだろう。特に札幌のように地域資源が限られる環境では、企業がもつ最先端の技術を教育機関に提供する取り組みは、DXの裾野を広げる有効なアプローチといえる。
企業主導のこうした教育支援は、即戦力人材の育成や地域経済の活性化にもつながると期待される。
マーケター目線で見れば、インターパークのこの動きは単なるCSR(※)ではなく、将来の人材確保や企業価値の向上にも寄与する戦略的施策だと捉えられるのではないか。
※CSR:「Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)」の略で、企業が利益を追求するだけでなく、社会や環境に配慮した行動を取る責任のことを指す。