SHIFT AI、システム開発現場での生成AI活用を体系化 実務者向けに新たなオンライン学習コースを提供開始

2025年4月14日、株式会社SHIFT AIはシステム開発における生成AIリスキリングサービス「SHIFT AI for Biz」の実践的な活用方法を体系的に学べるオンラインコースの提供を開始すると発表した。要件定義からテストまで、各工程ごとにAIツールの使い方を学べる内容で、国内開発現場でのAI導入を後押しするとみられる。
現場起点の学習設計、AI活用の“迷い”に答える構成
SHIFT AIが提供する新コース「AI Drivenエンジニアコース」は、生成AIを活用してコードエディタや各種ツールの基本的な使い方を習得し、プログラミング学習をより効率的に進めるためのエンジニア向けオンライン講座である。
このコースでは、システム開発における企画から運用まで、各プロセスに応じた生成AIの活用法を段階的に学べるという。要件定義や設計、実装、テスト、運用といった工程ごとに、実務に即したAIの使い方を習得できる構成となっており、GitHub CopilotやCursorなどのAISHIFT AIでは、生成AIを取り入れて開発や運用の効率化を目指すエンジニアや、コードの品質と生産性を高めたい開発者、現場でのAI導入を推進したい技術系マネージャー層などを主な対象として想定している。
提供される学習プログラムは随時更新され、システム開発の初期段階である企画・要件定義から、運用・保守に至るまで、各フェーズに対応した内容を順次拡充していく予定である。生成AIの技術進化を踏まえ、常に実務で役立つ最新の学習環境を提供するとしている。
生成AI活用が進む国内開発現場 今後の課題と展望
2023年以降、国内でも生成AIを業務に導入する企業が急増しており、開発現場でもプロトタイピングや仕様書作成などの工程で活用例が広がっている。
しかし、多くの企業が「一部のエンジニア頼み」「属人的な使い方」にとどまっているのが現状であるようだ。
その点、SHIFT AIの新コースは、開発チーム全体で生成AIを活用する“型”をつくることに主眼を置いていると考えられる。
実装者に加えて、要件定義やテストに関わる非エンジニア職種でも理解しやすい内容となっており、部署を超えたAI活用の足がかりになりそうだ。
一方で、デメリットとしては、現場での生成AI活用の成熟度に大きなばらつきがある中で、学習コンテンツがすべての受講者にフィットするとは限らない点が挙げられるだろう。
実務経験の浅い人材には高度すぎる内容も含まれている可能性があり、導入期の企業にとっては取捨選択の判断が難しくなる懸念もある。
今後、各社のAI導入が“試験導入”から“定着フェーズ”に移行する中で、社内教育の質が組織の競争力に直結する局面が増えるだろう。生成AIを単なる自動化の手段ではなく、思考を支援するツールとして位置づけられるかどうかが、今後の差を生むと考えられる。