OpenAI、次世代AIモデル「GPT-4.1」を発表予定 miniとnanoで差別化も

2025年4月11日(米国時間)、米メディアThe Vergeは、OpenAIが次世代のAIモデル「GPT-4.1」および小型版「GPT-4.1 mini」「GPT-4.1 nano」を近くリリースする可能性があると報じた。
これは、ChatGPTのコード内に「o4-mini」という記述が見つかったことに端を発しており、同社の戦略とAI市場の動向に注目が集まっている。
GPT-4.1登場の兆し ChatGPTコード内の記述が示すOpenAIの次の一手
AI業界で再びOpenAIが脚光を浴びている。
同社が次なる大型アップデートとして準備を進めているとされる「GPT-4.1」の存在が、4月11日に報じられた。
情報の出所は、AIエンジニアのTibor Blaho氏がChatGPTのウェブアプリ内コードで「o4-mini」という記述を発見したことに始まる。
また、同時期にOpenAIのAPIプラットフォームにもGPT-4.1に関する記述が確認されたことで、信憑性が一段と高まった格好だ。
GPT-4.1は、2024年に登場したマルチモーダルAI(※)「GPT-4o」の改良型とみられており、従来モデルと比較して処理能力や応答性がさらに強化されている可能性がある。
また、機能の軽量化を図った「mini」や「nano」モデルの存在が示唆されており、ユーザーの多様な用途に応じた使い分けが期待される。
こうした複数モデル展開は、個人ユーザーからエンタープライズ用途までの幅広いニーズに応えるための布石と見られる。
OpenAIはここ数カ月、ChatGPTに画像生成機能を統合したことで利用者が急増している。
一時は利用制限を設けるほどのアクセス過多となり、サム・アルトマンCEOはその状況を「われわれのGPUが溶けている」と表現したほどである。
AIの需要は拡大を続けており、新モデルの登場はそれに拍車をかける可能性がある。
※マルチモーダルAI:テキスト、画像、音声など複数の形式のデータを一つのモデルで処理できるAIのこと。従来のテキストベースのAIに比べ、より柔軟かつ複雑なタスクに対応できるとされる。
Googleとの競争激化、OpenAIの戦略と市場支配力の行方
新モデルの登場を控える中、AI業界全体で競争は一層熾烈になっている。
特にGoogleは、独自のAIチップ「Ironwood」を導入し、AI処理の高速化と効率化を図っている。
一方でOpenAIも、非営利組織から営利企業への移行を本格化させており、現在の企業評価額はおよそ3000億ドルに達すると見られている。
これはAI業界においても突出した規模であり、ChatGPTアプリがアプリストアで1位を記録するなど、市場でのプレゼンスは強まるばかりだ。
ただしGoogleの存在は依然として大きく、技術・資本力の両面で予断を許さない状況が続く。
GPT-4.1の正式リリースは、コードへの記述やAPIへの実装準備が進んでいる点からも、公開が近いと予想される。今後は、miniおよびnanoといったスケーラブルなモデル展開を軸に、用途別の最適化が進むだろう。
企業にとっては、コストと性能のバランスを取りながら導入戦略を検討するフェーズに入ると見られる。