明石家さんま、「お笑いはAIに潰される心配なし」と断言 笑いの本質は人間の“今”にある

2025年4月12日、MBSラジオ「ヤングタウン土曜日」に出演した明石家さんま氏が、AI時代の“お笑い”について持論を語った。大阪・関西万博の話題から派生したこの発言は、AI進化への世間的関心が高まる中で注目を集めている。
「お笑いは今やから」 AIが追いつけない“生きた笑い”への自信
AIが急速に進化する中、多くの業界が変化を余儀なくされている。だが、そんな時代にあっても「お笑いは絶対にAIにつぶされる心配はない」と断言したのが、タレントの明石家さんま氏だ。
4月12日放送のラジオ番組「ヤングタウン土曜日」で、この発言は関西万博の話題から自然に派生したもので、彼の自信は終始揺るぎなかった。
さんま氏は「お笑いは今やから。絶対に追いつけない商売」と語り、AIには人間の“今”を切り取る力がないと指摘する。
続けて「俺の研究もしはったんやけど、とうとう追いつけず」と語り、自身の膨大な芸歴をAIが解析したにも関わらず、本質的な「おもしろさ」には至らなかった事実を明かした。
さらに話題はAIアイドルにも及び、AIの進化に驚きつつも、漫才師が「M-1で優勝できるネタをAIに作らせた場合でも、おもろない」と断じた。
この理由として、AIは過去データからの学習に依存し「面白さという感情や間」を理解できない点を挙げた。
さんま氏の発言は、単なる楽観ではなく、長年第一線を走り続けてきた芸人ならではの実感に裏打ちされている。
AIでは代替できない“人間らしさ” お笑いの未来とテクノロジーの共存
明石家さんま氏の発言は、お笑い業界だけでなくエンタメ全般が直面するAI時代の課題を象徴している。
AIによる台本作成や映像編集は既に一部で導入されており、効率化やコスト削減には貢献している。だが「笑い」という感情に訴える表現は、依然として人間特有の“空気感”や“間”に依存している点が大きい。
実際、YouTubeやSNSではAIが生成したジョークやショートムービーが拡散される例も増えた。しかし、SNS上では「面白いけど人間の感覚とは違う」「やはり生の芸人の反応が面白い」といった反応を示すユーザーも一定数存在しており、AIコンテンツの限界が垣間見える状況だ。
今後、AI技術はますます精度を上げるだろう。しかし、さんまが語った通り「今」を生きる人間の機微や、突発的な空気の読み合いを再現するには、AIにはなお時間がかかると考えられる。
むしろ、AIはお笑いの補助的存在として進化し、ネタ作りや舞台演出の効率化を支える役割を担う可能性が高い。お笑いの未来は、人間とテクノロジーの共存によってさらに広がる余地を秘めている。