KINTOとConnectivがNFTでクルマ体験を拡張 「ブロックチェーンEXPO」でコラボイベント実施

2025年4月7日、Web3スタートアップのConnectivが、自動車サブスクリプションサービスを展開するKINTOと、NFTを活用したコラボレーションイベントを開催すると発表した。
コラボレーションは、4月15日から17日に東京ビッグサイトで行われる「NexTech Week2025春 / 第6回 ブロックチェーンEXPO」で実施される。
モビリティとNFTが交差する現場 リアルイベントで「くもびぃ」ノベルティ体験も
「NexTech Week2025春/第6回 ブロックチェーンEXPO」では、KINTOとConnectivはNFTを用いた共同イベントを実施し、自動車とWeb3の融合を体験できる場を提供する。
この取り組みでは、ConnectivのNFTイベントプラットフォーム「Snapshot」が活用される。
参加者は設定された条件を達成することで、KINTOの公式キャラクター「くもびぃ」のNFT付きノベルティを受け取れる。
アプリインストール不要で、GoogleやLINEアカウントから簡単に利用可能な設計が特徴だ。
さらに、KINTOの西渕泰斗氏とConnectiv代表の石井裕希氏が、ブロックチェーンEXPOのトークセッション「Blockchain Case Studies」に登壇し、モビリティ領域におけるNFT活用の実例や将来的な社会実装の可能性を議論する予定である。
特に、安全運転ドライバーへのNFT証明書発行といったユースケースが紹介される見通しだ。
KINTOは、トヨタ、レクサス、SUBARU車を対象に、保険や税金を含む月額定額のカーサブスクリプション「KINTO ONE」を展開する企業。ユーザーは車両管理の煩雑さから解放される点が強みとなっている。
一方、ConnectivはWeb3領域でリアルイベント向けのNFT体験を簡易に提供できるプラットフォームとして、ビジネスサイドからも注目されている。
業界にも波及するNFT活用の兆し 顧客との関係性に変化をもたらす可能性
このコラボレーションは、NFTを単なるデジタルアイテムではなく、リアルな顧客体験を拡張する手段として捉える点に新しさがある。
自動車業界では従来、サービス体験の差別化が難しいとされてきたが、NFTを組み込むことで「参加体験」が付加価値となり得る。
また、安全運転へのインセンティブとしてNFT証明書を発行する仕組みは、運転行動そのものへの意識改革を促すことが期待される。
保険や税制と連携すれば、長期的な行動変容にもつながり得るだろう。
モビリティ分野においては、サブスクリプション契約情報やメンテナンス履歴などをNFT化し、ユーザー自身が所有・提示可能な「自動車版のライフログ」へと発展する可能性がある。
ただし、これらの展開には、NFTの標準化、データの長期的な保存性、ユーザーのプライバシー管理といった技術的・制度的課題のクリアが前提条件となる。
条件が整えば、NFTは単なる所有の証明を超え、体験価値と顧客関係性を再構築する強力なツールになり得るだろう。