JBS、営業支援に特化したAIエージェント「Sales AIgent(仮称)」の開発を発表 生成AI活用でCRMの次世代化を見据える

2025年4月8日、日本ビジネスシステムズ株式会社(JBS)は、企業の営業活動を全方位的に支援するAIエージェント「Sales AIgent(仮称)」の開発を正式に発表した。
日本国内で提供される本ソリューションは、商談準備からクロージングまでをカバーし、企業の営業力強化と生産性向上を目指す。
営業プロセスの非効率を可視化し、生産性を高めるAIエージェントの可能性
JBSが発表した「Sales AIgent(仮称)」は、企業の営業活動を包括的に支援するAIエージェントである。
特に注目すべきは、営業情報の蓄積や提案資料の自動生成、トップセールスのナレッジ可視化といった機能を通じて、業務全体の効率化を図っている点だ。
これまで属人化しやすかった営業スキルやノウハウが、AIによって再現可能な形でチーム全体に共有されることで、営業担当者全員のスキル底上げが期待される。
エンタープライズ市場を初期ターゲットとしており、業種ごとの営業プロセスに合わせたインテグレーションを個別に実施するという。これにより、業務フローに無理なく組み込まれ、現場の反発を最小限に抑える導入が可能となる見込みだ。
営業支援ツールの導入には、ツールの高度さ以上に現場の活用意欲が成果に直結するため、こうした段階的な展開戦略は理にかなっていると言える。
非定型情報の統合で競争力を高める JBSが見据える未来の営業支援のかたち
JBSは今回の発表に際し、営業活動における本質的な課題として「重要な営業情報が非定型情報の中に埋もれている」点を挙げている。
報告書や商談メモ、音声記録など、従来のCRMでは扱いにくかった情報を構造化し、営業戦略に活かすことが、今後の競争力に直結するという考えだ。
一方で、AI活用による営業プロセスの標準化が、柔軟な対応力の低下や個別対応の困難さを生む可能性もあるだろう。
これに対してJBSは、パッケージ型ではなく個社ごとにカスタマイズ可能な導入プロセスを提示することで、柔軟性と効率性の両立を図る方針だ。
今後は、Sales AIgentをもとにした汎用型サービスの展開も計画されており、幅広い企業への普及が見込まれる。
営業という対人的なやり取り要素が強い領域において、どこまでAIが踏み込めるのか、JBSの今回の取り組みは、その実証実験とも言えるのではないだろうか。