経産省NEDO、量子コンピュータ活用の懸賞金プログラム開始　Web3関連など44課題で最大4000万円

2025年4月4日、経済産業省所管のNEDO（新エネルギー・産業技術総合開発機構）は、量子コンピュータ技術を活用した社会課題解決を目的とする懸賞金プログラム「NEDO Challenge, Quantum Computing “Solve Social Issues!”」を開始した。
本プログラムでは、Web3トークン経済の構築など、44の課題に対する解決策を募集し、最優秀提案には最大4000万円の賞金が授与される。

量子コンピュータで挑む社会課題解決

量子コンピュータ技術を活用した社会課題解決に焦点を当てた懸賞金プログラムでは、企業やアカデミアから寄せられた100件以上の候補から、専門家が厳選した44件の課題が提示されている。
これらの課題は、「Society 5.0」「QoL」「Cool Japan」の3つの領域に分類され、ネットワークシステムの品質向上やWeb3トークン経済の構築など、多岐にわたるテーマが含まれている。

応募者には、必要に応じて産業技術総合研究所のG-QuATをはじめとする最新の量子コンピュータ関連研究開発環境が無償で提供される場合がある。

懸賞金は各課題領域ごとに設定され、1位には4000万円、2位には2000万円、3位には1000万円が授与される。
解決策の募集期間は2025年6月16日正午までで、成果提出は2026年7月頃、受賞者決定・表彰式は同年9月頃、懸賞金の交付は同年10月頃を予定している。

内閣府が提唱するSociety 5.0は、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させ、経済発展と社会的課題の解決を両立させる人間中心の社会を目指している。

今後の展望

NEDOが開始した量子コンピュータ技術を活用した懸賞金プログラムは、社会課題解決に向けた新たなアプローチとして注目される。この取り組みは、量子コンピュータの実用化を加速させるとともに、多様な分野での技術革新を促進する可能性がある。

特に、Web3トークン経済の構築に関連する課題への取り組みは、ブロックチェーン技術と量子コンピュータの融合による新たなビジネスモデルの創出を期待させる。
量子コンピュータの高い計算能力は、従来の技術では困難だった複雑な問題の解決を可能にし、これによりWeb3領域でのセキュリティ強化やトランザクションの効率化が進むと考えられる。

また、NEDOが提供する最新の研究開発環境を活用することで、企業や研究者は実践的な経験を積み、量子技術の社会実装に向けた具体的な成果を上げることが期待される。
このような取り組みは、日本の技術力向上と国際競争力の強化に寄与し、将来的には量子技術を基盤とした新産業の創出や社会課題の解決に大きく貢献する可能性がある。

総じて、NEDOの懸賞金プログラムは、量子コンピュータ技術の社会実装を加速させる重要なステップであり、今後の技術革新と社会課題解決に向けた新たな道を切り開くものと考えられる。

NEDO Challenge公式サイト：https://qc-challenge.nedo.go.jp/