山口県、公立中全153校に生成AI「スタディポケット」導入へ 全国初の全県展開で33,000人に影響

2025年4月8日、スタディポケット株式会社は山口県教育委員会と連携し、県内すべての公立中学校への生成AI導入を発表した。対象は生徒・教職員計約33,000人に及び、教育現場の変革が加速しようとしている。
生成AIが切り拓く次世代教育 全県導入の背景と実証実験の成果
スタディポケット株式会社は山口県教育委員会と連携し、生成AIサービス「スタディポケット」を2025年5月より県内すべての公立中学校に導入すると発表した。
この決定は山口県および19市町が共同で推進する「生成AIを活用した家庭と学校の学びの好循環創出事業」の一環として行われるもので、全国でも前例のない全県規模での導入が注目を集めている。
対象となるのは特別支援学校中学部を含む153校で、利用者数は生徒および教職員あわせて約33,000人に達する。
このプロジェクトは2024年度に実施された実証実験を踏まえて本格展開が決定されたものである。7校での試験導入の結果、生成AIが授業中の疑問解決、個別学習の促進、思考力の強化などにおいて有効であることが確認された。特に周南市立住吉中学校では、87.9%の生徒が「役に立った」と回答しており、学びに対する主体性が向上したという報告もある。
教員の側からも、生徒がAIとの対話を通じて自らの課題に気づく機会が増えたとの評価が寄せられている。保護者からは家庭での学習支援が容易になったという声が多く、学校と家庭の連携強化にもつながっていると見られている。
また、山口県教育庁の大川健志氏が「第16回EDIX(教育総合展)東京」への登壇を予定している。会期は2025年4月23日から25日までであり、東京ビッグサイトにて開催される。
大川氏はスタディポケット株式会社のブース(小間番号28-6)にて導入背景や成果、そして展望について講演を行う見込みである。
展示会への入場は無料だが、事前登録が必要とされている。
全県導入がもたらす教育の未来 注目の展示会と今後の可能性
今回の導入は単なる教育支援ツールの普及を超え、生成AIが日本の教育制度に与える影響の可視化につながると考えられる。地域一体での取り組みとしては全国初であり、教育の質的向上を目指す先進事例として今後の他県への波及も期待される。
企業関係者や教育関係者の関心も高く、ビジネスと教育の融合における次なるステージを示唆する場となるだろう。
生成AIを教育に組み込む動きは今後さらに加速すると思われる。
その中で山口県の全県導入は、実践的な知見を生み出す試金石となり得るだろう。成果次第では、AIを活用した次世代型教育が全国的に進展していく可能性も否定できない。