アスターの「Astar zkEVM」、3月31日でネットワーク停止　「Soneium」への移行計画

Startale Group（スターテイルグループ）が開発したEthereumレイヤー2ネットワーク「Astar zkEVM」が、2025年3月31日にネットワークを停止した。

ネットワーク停止は3月31日に前倒し、全アセット引き出し不可に

Startale Group（スターテイルグループ）が開発した「Astar zkEVM」は、Ethereumの拡張レイヤーとして注目されていたが、3月31日をもってネットワークを停止した。
この情報は公式X（旧Twitter）にてアナウンスされており、全てのユーザーに対応を呼びかけている。
停止予定は当初4月1日とされていたが、発表時点で一日早まり、明確な理由は公表されていない。

ネットワーク停止後は、Astar zkEVMに保有されているすべてのアセットにアクセスできなくなる。
対応策としては、Quickswap、VeryLong Swap、Arthswap、Bifrost、c14などのAstar zkEVM対応のDEXやDeFiプラットフォームで流動性を解除する必要がある。
アセットをEthereumまたはAstar EVMに移動する場合は、Astar Portalを用いたブリッジ作業が推奨されている。

「Astar zkEVM」の一時停止は、ソニーグループとStartale Groupの合弁会社であるSony Block Solutions Labsが手がけるブロックチェーン「Soneium」へ移す「Astar Evolution Phase 1」の一環として実施された。
この取り組みは昨年8月に明らかにされ、エンターテインメントやゲーム、金融、家電など多岐にわたる分野で豊富な経験を持つソニーとの戦略的提携を意味している。

Startale Groupによれば、「Astar zkEVM」を「Soneium」に移行することで、ソニーの幅広い利用者基盤を活かし、より多くのユーザーにWeb3技術を届けるとともに、ASTR関連のエコシステムを拡大することが可能になるという。

今後の展望

今回のAstar zkEVM停止は、終わりではなく「始まり」と捉えるべき転換点にあたるだろう。
SonyとStartaleによる新ブロックチェーン「Soneium」は、単なるEthereum互換のネットワークにとどまらず、Web3を日常生活に根付かせるためのプラットフォームとなることが期待されている。

今後の展望としては、さまざまな分野において、Sonyグループのサービス群と連携しながら独自のユースケースを築いていく流れが想定される。
これにより、日本国内のみならずグローバルなWeb3市場に対しても、強い発信力と実装力を持つ存在になる可能性がある。

とはいえ、Soneiumが信頼を得るためには、透明性と一貫性を重視した運営が不可欠だ。
特に、今回のようなネットワーク停止に関する情報提供やガバナンスプロセスの明確化が求められる。
新技術への期待とともに、ユーザーとの信頼構築が鍵を握るフェーズに突入していると言えるだろう。