ChatGPT Team、新機能で社内データを活用可能に

OpenAIのプロダクトリーダーであるネイト・ゴンザレス氏は2025年3月27日(米国時間)、LinkedInへの投稿で、「ChatGPT Team」向けに社内データと連携する新機能をリリースすると発表した。この機能により、企業の従業員はGoogle Driveなどのナレッジソースに接続し、必要な情報をリアルタイムで取得できるようになる。社内資料を活用した高度な検索やパーソナライズされた回答が可能となり、業務効率の向上が期待される。
企業の要望に応えた社内データ活用の新機能
ChatGPT Teamの新機能は、企業内のナレッジソースと統合し、AIを活用した情報検索やコンテンツ生成を可能にするものだ。特に、社内マニュアルや業務ルールをAIが参照できるようになることで、従業員はより的確な情報を得ることができる。
ネイト・ゴンザレス氏によれば、この機能は企業からの強い要望を受けて開発されたという。多くの企業では、膨大な社内資料が点在し、それを効果的に活用できていないのが現状だった。
この課題を解決するため、Google Driveと統合することで、従業員がファイルを直接検索し、必要な情報を迅速に取得できるようにした。
この機能の展開は段階的に行われ、ChatGPT Teamの管理者に通知が届いた後、各企業での導入が可能となる。
導入後は、AIがセマンティック検索(※)を行い、適切な情報を抽出し、回答にリンクとして自動的に追加する仕組みが組み込まれている。
これにより、従業員は仕様書や議事録などの重要な文書を容易に活用できる。
※セマンティック検索:キーワードの単純な一致ではなく、文脈や意味を考慮して最適な検索結果を返す技術。
情報セキュリティと今後の展開
企業におけるデータ活用において、セキュリティとプライバシー保護は極めて重要な課題である。OpenAIは、未許可のドキュメントへのアクセスを防ぐため、厳格なアクセス権限の管理を実施している。これにより、許可された従業員のみが特定のファイルを検索・利用できるよう設計されている。
また、AIが参照する情報は、個別の企業ごとに管理され、外部のデータセットとは混在しない仕組みが採用されている。これにより、機密情報が他の企業に流出するリスクを最小限に抑えることが可能となっている。
今後、OpenAIはGoogle Drive以外のナレッジソースとの連携も視野に入れており、CRMやデータ分析プラットフォームなど、さまざまなツールとの統合を計画している。
ChatGPT Teamの新機能は、企業における情報活用のあり方を大きく変える可能性を秘めており、今後の展開に注目が集まるのではないだろうか。