OpenAIとMetaがインドAI拡大でリライアンスと協議、ChatGPT展開も視野に

2025年3月22日、米テックメディア「ジ・インフォメーション」の報道によれば、OpenAIとMeta Platformsが、インドの複合企業リライアンス・インダストリーズとAI分野における提携に向けた協議を個別に進めているという。
これは、インドでのAIサービス拡大を見据えた動きとみられる。
OpenAI、インド展開でリライアンスと提携協議か
報道によれば、OpenAIはリライアンス・インダストリーズの通信部門であるリライアンス・ジオと提携し、同社の対話型AI「ChatGPT」をインド市場で提供する可能性を探っているという。
また、OpenAIはChatGPTの月額20ドルのサブスクリプション料金を数ドル程度に引き下げることを社内で検討しているが、リライアンスとの間でこの価格改定について話し合われたかは不明である。
リライアンスは、APIを通じて法人向けにOpenAIのモデルを提供することを視野に入れているという。また、インド国内の顧客データを国内で保管できるように、同モデルを現地サーバーでホスティングし、運用する案も検討されているという。
さらに、リライアンスはグジャラート州ジャムナガルで3ギガワット規模のデータセンターを建設し、ここでOpenAIとMetaのモデルを運用する計画だという。リライアンスによると、この施設は世界最大規模になるとしている。
これらの協議に関して、リライアンス、OpenAI、Metaの各社は現在コメントを控えているようだ。
今後の展望、インドの巨大市場が動く可能性
インド市場におけるAIサービスの拡大を目指すOpenAIとMetaにとって、リライアンスとの提携は大きな意味を持つと考えられる。
リライアンスはインド最大級の複合企業であり、通信やエネルギー、製造業といったインフラ領域を広く手がけている。また、同社の通信部門であるリライアンス・ジオは、同国での通信インフラ整備を牽引しており、このネットワークを基盤としたAIサービスの展開が可能となるだろう。
インドは14億人を超える人口を抱える世界有数の市場であり、AI技術の導入によって、金融、教育、医療、農業など幅広い産業の高度化が期待されている。そのため、OpenAIとMetaのインド進出に向けた動きは、単なるビジネスの拡大にとどまらず、インド国内の技術革新にも影響を与える可能性があると考えられる。
Metaにおいては既にインドで大規模なユーザーベースを有しており、AIとの融合が進めば、個人向けから法人向けまで幅広いサービス展開が見込まれる。
一方で、インド政府の規制方針や世論の動向も注視が必要だ。
AI倫理やデータ管理に関する法整備が進む中、外資企業への規制強化が進めば、運用面での制約や提携構造の見直しが求められる場面も出てくるかもしれない。
今後、もし提携が正式に成立すれば、インドはAI活用の先進国の一つとして注目を集めることになりそうだ。