マイクロン、AI需要の追い風で業績好調 売上高見通しは市場予想を上回る88億ドル

米半導体大手マイクロン・テクノロジーは2025年3月20日、2025年度第3四半期(3~5月)の売上高について、AI関連製品の需要を追い風に約88億ドル(約1兆3000億円)を見込むと発表した。これは市場予想の85.5億ドルを上回る水準だ。
第2四半期(2024年12月~2025年2月)の業績も市場予想を上回る結果となり、同社の収益基盤がAI市場の拡大によって強化されていることが浮き彫りとなった。
AI需要が業績を後押し
マイクロンの2025年度第3四半期の売上高は88億ドルと予想されており、市場予想を上回る見通しだ。1株当たり利益についても1.57ドルと見込まれ、こちらも市場予想の1.48ドルを超える水準となる。
こうした堅調な見通しの背景には、AI関連製品の需要拡大がある。
特に、AIソフトウェアを開発・実行するためのデータセンター向けメモリの需要が伸びている。AIを活用したサービスが拡大する中で、高性能な計算能力を支えるメモリ製品の供給が重要になっている。
マイクロンはこうした市場の成長に対応し、高帯域幅メモリ(HBM ※)などの次世代メモリ技術を強化している。
一方、従来の主要市場である携帯電話やパソコン向けのチップ需要は依然として低調だ。ただし、これらの市場も回復の兆しを見せ始めており、今後の売上に寄与する可能性がある。
※高帯域幅メモリ(HBM):従来のDRAMよりも大容量・高性能なメモリ技術。AIやデータセンター用途での採用が増加しており、特にNVIDIAやAMDの先進的なプロセッサと組み合わせて使用されることが多い。
過去の業績と株価の反応
マイクロンの2025年度第2四半期の売上高は80億5000万ドルで、前年同期比38%増となった。これは市場予想の79億1000万ドルを上回る好結果だ。
サンジェイ・メロートラCEOは、データセンター向け製品の売上が前年から3倍に増加したと述べており、今後もこの分野の成長が続くと見ている。
特に、高帯域幅メモリ(HBM)の売上が第2四半期だけで10億ドルを超えたことは、AI市場の拡大が業績を強力に支えている証拠と言える。今後、AI技術の進化とともにHBMの需要も拡大すると考えられる。
市場の反応もポジティブだ。決算発表後、マイクロンの株価は時間外取引で約6%上昇した。これは、同社の業績がAI需要の高まりによって支えられていることに対する投資家の期待を反映していると考えられる。
マイクロンは今後もAI市場の成長を追い風に、データセンター向けメモリ製品の強化を進めるとみられる。今後の業績がさらに上向くかどうか、引き続き注目される。