オープンAI、AIにおける技術革新促進を米政権に提言 中国に対抗

2025年3月13日、米オープンAIはトランプ米政権に対し、AI分野における技術革新の促進を求める提言を行った。中国のAI企業が急成長を遂げる中、米国の競争優位性を維持するための具体的な施策を提示している。経済安全保障の観点からも、AI技術の発展は不可欠とされており、提言の実現が今後の米中競争に大きな影響を与える可能性がある。
オープンAIの提言と米国の技術革新戦略
オープンAIは今回の提言で、中国のAI企業の台頭に対抗するため、米国政府が技術革新を積極的に推進すべきだと強調した。特に、コンピューティングクラスタ(※)や電力供給網の強化といったインフラ整備が急務であるとし、AI技術の開発拠点としての米国の地位を確保する必要性を訴えた。
トランプ政権はすでにAI政策の方向転換を進めており、バイデン前政権が施行したAI規制に関する大統領令を撤回。180日以内に米国のAI優位性を確立する行動計画の策定を指示している。
オープンAIの提言はこの計画に影響を与える可能性があり、今後の政策動向が注目される。
※コンピューティングクラスタ:複数のコンピュータを連携させ、大規模なデータ処理を行うシステム。AIの学習や解析に不可欠。
中国のAI企業の成長と米国の競争力維持
中国は2030年までにAI分野で米国を超えることを目標に掲げ、積極的な投資を行っている。特にディープシークのような企業が急成長を遂げ、政府の支援を受けながら先端技術の開発を進めている。
これにより、米国のリードは縮小しつつあるとの指摘がある。
経済安全保障の観点からも、技術革新の遅れは米国の国際的な競争力低下につながる可能性がある。
オープンAIの提言は、政府が積極的にAI分野への投資を行い、研究開発を加速させるべきだとするものであり、今後の米中競争の行方を左右する重要な要素となるだろう。