電通デジタル、AI活用の新ソリューション「∞AI LP」を発表

2025年3月13日、電通デジタルは新たなAIソリューション「∞AI LP」を発表した。
このツールは、ランディングページ(LP)の分析から改善案の作成、効果予測、デザインの提案までを自動で行うことが可能である。
テスト導入では、コンバージョン率(CVR)を141%向上させ、制作時間を約50時間短縮する成果を上げた。
電通デジタルの新AIツール「∞AI LP」の機能と効果
電通デジタルは、LPOツールベンダーのDLPOと共同で「∞AI LP」を開発した。このツールは、AIを活用してLP(※)の分析から改善案の作成、効果予測、デザインの提案までを自動化するものである。
具体的には、自社と競合のLPを比較し、ファーストビューやクリエイティブ要素をUI/UXの観点から評価する。これにより、自社LPの課題を可視化することが可能となる。
さらに、分析結果や業界トレンド、市場のニーズを基に、最適なLPの訴求テーマや改善案を大量に生成し、自動でスコアリングや順位付けを行う。
公開後は、LPの表示速度やクリック率、CVR(※)などのデータを基に再度分析し、より効果的な改善案を提示する。テスト導入の結果、既存のLPに対し、分析から新しいLPの公開までの時間を約50時間短縮し、CVR改善率141%を達成した。
※ランディングページ(LP): ユーザーが広告や検索結果をクリックした際に最初に表示されるウェブページのこと。特定のコンバージョン(購入や問い合わせなど)を促す役割を持つ。
※コンバージョン率(CVR): ウェブサイトを訪れたユーザーのうち、実際に購入や問い合わせなどの目標とする行動を取った割合を示す指標。
電通デジタルのAI戦略と「∞AI LP」の位置づけ
電通デジタルは、AIを活用したマーケティング活動の高度化を支援するソリューションブランド「∞AI®」を展開している。今回発表された「∞AI LP」は、その一環として開発されたものである。
同社は、2023年4月にデータアーティスト株式会社と合併し、AI開発とビッグデータ分析の実績を強化してきた。さらに、全社員にChatGPTアカウントを付与し、業務効率化や最先端のAI技術を活用したソリューション提案力の向上を図っている。
2025年1月からは、全社横断組織「AI Native Twin」を組成し、全ての事業領域にAI活用のミッションを設定するなど、より強固なAI体制を構築している。
しかしながら、マーケティングにおいては、消費者の心理や文化的背景を理解することが重要であり、AIだけではその全てをカバーすることは難しい。そのため、マーケティング戦略の策定には人間の直感や経験が不可欠である。AIが提供するデータを基に、消費者の感情や文化的背景を理解し、クリエイティブなアイデアを生み出すことが重要だ。
将来的には、AIを活用したマーケティング施策が標準化し、業界全体の競争環境が変化することも考えられる。「∞AI LP」による業界トレンドや市場ニーズに基づいたデータ駆動型のアプローチは、クライアント企業にとって競争優位性をもたらす要因となるだろう。
電通デジタルがこの流れの先頭に立つことで、業界のリーダーとしての地位を確立する可能性が高いと考えられる。