イーベイ・ジャパン、2024年年間越境ECレポートを発表 高級ファッションとトレーディングカードが日本の競争力を高める鍵か

イーベイ・ジャパンは2025年3月7日、2024年の年間越境ECレポートを発表した。
このレポートでは、日本市場における越境EC取引の成長と、特に海外消費者がアジア商品に求める「信頼性」の重要性が強調されている。
日本市場における越境EC取引の成長と注目アイテム
イーベイ・ジャパンの2024年年間越境ECレポートによれば、日本市場は越境EC取引の成長が著しく、特に「信頼性」が消費者の購買行動に大きく影響を与えている。
日本のセラーはヨーロッパ市場と同様に高い期待を受けており、真贋保証(※)が重視される傾向が強まっている。特に高級ファッションアイテムにおいては、購入者の62%が越境ECを利用しており、信頼性と価格のバランスが選択基準となっている。
具体的な2024年の売れ筋商品としては、デジタルカメラ、メンズアパレル&バッグ、自動車パーツが挙げられる。
デジタルカメラではCanonやSonyの人気モデルが販売を牽引している。
メンズアパレルではエビスジーンズやオニツカタイガーが注目されており、ブランド価値と機能性の両立が人気の要因となっている。
また、自動車パーツでは特にバイクパーツが高い需要を見せており、性能の高さやカスタマイズ需要が取引を後押ししている。
2025年に注目されるアイテムとしては、ハンドバッグ、腕時計、ジュエリーが挙げられている。特にChanelやCartierといった高級ブランドへの関心が高い。
また、日本のトレーディングカード市場も急成長しており、2024年には前年比98%の成長を記録している。鑑定付きトレーディングカードは海外バイヤーからの需要が強く、今後の成長が期待されている。
さらに、リファービッシュ(整備済み)製品への関心も高まっている。電化製品や楽器などが整備済み品として出品可能になり、品質保証を通じて購入者の信頼を獲得している。
※真贋保証:商品の本物・偽物を専門家が鑑定し、保証するサービス。特に高級ブランド品やトレーディングカード市場で重要視されている。
今後の展望
今後、イーベイ・ジャパンの真贋保証サービスの拡充やリファービッシュ製品の普及が進めば、消費者の安心感が増し、取引件数の増加が期待できる。
特に高級ブランド品やトレーディングカードといった鑑定が重要なアイテムは、市場拡大のカギを握るだろう。
また、リファービッシュ製品への関心が高まることで、電化製品や楽器市場にも新たな需要が生まれる可能性がある。
ただし、品質保証や返品対応といったアフターサービスの充実が不可欠となるため、セラーの負担が増大する点には注意が必要だ。
トレーディングカード市場が急成長していることから、専門的な鑑定サービスや限定アイテムの供給など、消費者の「コレクション欲」を刺激する戦略を展開できるかどうかも、成功を分けるポイントになるだろう。
高級ファッションとトレーディングカードという対照的な分野の両立が、日本の越境EC市場の競争力を高める鍵になると考えられる。