リップル、ドバイでライセンス取得 UAEでの暗号資産決済サービス提供へ

米暗号資産企業のリップル(Ripple)社は2025年3月13日、ドバイ金融サービス局(DFSA)からアラブ首長国連邦(UAE)における規制された暗号資産決済およびサービスの提供承認を得たと発表した。
DFSAはドバイ国際金融センター内の金融活動を規制・監督する独立した規制当局であり、規制や監督を行い市場の信頼性と透明性の確保を行う機関である。
リップル社はDFSAからブロックチェーン対応決済プロバイダーとして承認を受けた初の企業となる。
中東市場での存在感を増すリップル
リップルにとって今回のライセンス取得は、中東市場での信頼性向上における重要なステップと位置付けられる。リップルの顧客ベースの約20%は中東で事業を展開しており、この地域ではリアルタイム決済を含む暗号資産に対する需要が急速に高まっている。
リップルはすでにシンガポール金融管理庁やニューヨーク金融サービス局など、世界60以上の規制当局からの承認を獲得したことによって、国際的な認知を得ていた。それに加えて、今回DFSAから承認を受けたことで、さらに取引範囲を広げることに成功したのだ。
リップルのCEO、ブラッド・ガーリングハウス氏は、以下のように発言している。
「ドバイは、テクノロジーと暗号技術のイノベーションの下支えとなる環境整備において早期からリーダーシップを発揮してきた。それによって、UAEは特に大きな利益を享受することができるだろう」
特に中東地域は、暗号資産とブロックチェーン技術の採用において積極的な姿勢を見せており、リップルにとって有望な市場と考えられる。
ステーブルコインRLUSDの拡大とXRP価格への好影響
リップルが提供するステーブルコイン(※)RLUSDは現在、約1億3400万ドル(約201億円)の総額に達している。米ドルと同価値で推移するこのデジタル資産は、UAEでのリアルタイム決済ニーズの高まりを背景に、さらなる成長が期待されている状況だ。
一方、市場においては、リップルとアメリカ証券取引委員会との長期にわたる裁判が和解に向かっているとの報道もあり、同社の暗号資産であるエックス・アール・ピー(XRP)の価格は過去24時間で約4%上昇した。
このポジティブな反応は、ドバイでのライセンス取得が市場からも好感されていることを示すものといえよう。
ドバイは暗号資産の環境づくりを進めている。
先月24日も、サークル社のステーブルコイン「USDC」と「EURC」に対して、ドバイ国際金融センター内での使用とプロモーションを許可する動きを見せている。
ドバイは2022年に暗号資産セクターに関する規制枠組みを開始させており、今後も暗号資産に対し積極的な動きを見せていくのは間違いないだろう。
※ステーブルコイン:価格の安定性を目的として、法定通貨などの資産に価値を連動させた暗号資産。
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