日本で約10億円規模のブロックチェーン新合弁会社「Hinode Technologies」が設立へ TISとgC Labsが協働

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国内大手ITサービス企業TISとブロックチェーン技術企業gC Labsは2025年3月12日、4月1日付で新合弁会社「Hinode Technologies」を設立すると発表した。資本金4.95億円を投じ、ブロックチェーンのノード運営と暗号資産会計管理システムの提供を主軸に据えた事業展開を行う。

目次

ブロックチェーン技術の専門知識と顧客基盤を融合し新たな価値創出へ

両社の合弁は、急速に進展するブロックチェーン技術と高まる暗号資産管理のニーズに応えるための戦略的判断であると考えられる。出資比率はgC Labsが65.97%、TISが34.03%となり、総額9.9億円(資本金4.95億円および同額の資本準備金)を投入する大型プロジェクトだ。

Hinode Technologiesの主要事業は二本柱となる。
一つ目はブロックチェーンのノード運営(※1)事業である。ブロックチェーン上でのトランザクション承認・管理を行い、運営者報酬やステーキング報酬(※2)の獲得を目指す。
二つ目は暗号資産会計管理システムの開発・提供だ。暗号資産の会計処理は複雑で煩雑だが、システム開発によってこの課題を解決していく方針を示しているという。

このビジネスモデルの強みは、TISが保有する15,000社以上の顧客ネットワークとシステム分野での知見と、gC Labsが有するノード運営および暗号資産管理の専門技術を組み合わせた点にある。この相乗効果により、企業向け暗号資産サービス市場での競争力強化が見込まれるだろう。

※1 ノード運営:ブロックチェーンネットワークにおいて、取引データの検証や記録を行うコンピューターサーバーの運用管理のこと。ネットワークの安定性維持に貢献する対価として報酬が得られる仕組み。

※2 ステーキング報酬:暗号資産をネットワークの安全性維持のために「預ける(ステーキングする)」ことで得られる報酬。

企業の暗号資産管理課題解決と新経済圏構築へ大きな一歩

Hinode Technologiesの設立は、単なるブロックチェーン事業への参入にとどまらない意義を持つ。合弁会社は将来的に、ノード運営を通じて蓄積した会計管理ノウハウを活用し、大手上場企業が直面する複雑な暗号資産の会計処理課題の解決に貢献することを目標としている。

注目すべきは、この合弁事業とgumiグループの展開する「OSHI3」プロジェクトとの関連性だ。gumiはエンターテインメント分野でブロックチェーン技術を活用した新しい経済圏構築を目指しており、今回の合弁もその大きな流れの一環と捉えることができる。

今回の合弁会社設立は、日本企業によるブロックチェーン技術の実用化と産業応用に向けた重要な動きと言え、将来的にはWeb3をシステム面から下支えするインフラとして、存在感を発揮することが期待される。
一方で、暗号資産の法的位置づけは今後変化する可能性があり、安定したシステムの維持のためには、変化に対応できる柔軟性が必要になるだろう。

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