デジタル名刺とスマートロックが融合 Eight×Akerunが業務効率化への新たな一手

2025年3月12日、Sansan株式会社のデジタル名刺「My Eight Card」と株式会社Photosynthのスマートロックシステム「Akerun」の連携が発表された。これにより、1枚のカードで名刺交換とオフィス入退室が可能になる。連携サービスは12日から開始され、ビジネスパーソンの持ち物削減と企業の管理効率向上を実現する。
NFCチップ内蔵の名刺カードがスマートキーと一体化
この連携の中核となるのが、Sansanのデジタル名刺「My Eight Card」に内蔵されたNFC(※)技術だ。従来、ビジネスパーソンはデジタル名刺と入退室用のICカードを別々に持ち歩く必要があったが、今回の連携により、一枚のカードへの統合が実現した。
「Akerun」はクラウド型IoTサービスとして多様なオフィスドアに後付け可能なスマートロックシステムを提供している。このシステムはオフィスの入退室管理をデジタル化し、物理的な鍵を必要とせず、スマートフォンやICカードで解錠できる仕組みを実現した。
「My Eight Card」側は、Sansan株式会社が展開する名刺アプリ「Eight」のカード型デジタル名刺であり、このカードをスマートフォンにかざすだけで名刺情報を瞬時に共有できる機能を持つ。
今回の連携によって、この名刺がオフィスのドアを開けるスマートキーとしても機能するようになったのである。
一般ユーザーにとっては、持ち物の削減によるビジネス効率の向上が最大のメリットと言える。また企業側においては、入退室管理の一元化や、従業員の退職・異動時のアクセス権管理が容易になるという利点がある。
※NFC:Near Field Communicationの略で、近距離無線通信の国際標準規格。PASMOなどの交通カードにも使用されている。スマートフォンやカードをかざすだけで情報のやりとりができる技術。
次世代のワークスタイル
この連携サービス開始を記念し、2025年4月25日までの期間限定で、Akerunを新規契約する企業には特典が提供されるキャンペーンが実施される。連携のアドバンテージを活かし、シェアを一気に広げる方針だ。
デジタル名刺市場は2023年以降急速に拡大しており、特にコロナ禍以降のペーパーレス化の流れを受けて成長を続けている。一方、スマートオフィス市場も利便性やデータ管理のしやすさから普及を続けており、両市場の成長を背景に、より統合されたソリューション提供の動きが加速すると考えられる。
今回の連携は、オフィスのスマート化とデジタル名刺の普及を推進する取り組みとなるだろう。
両社の担当者によれば、持続可能なビジネス環境の構築を見据え、紙資源の削減とセキュリティ向上を同時に実現するソリューションとしての価値を訴求していく方針とのことだ。
今後は多くの企業サービスとの連携拡大や、顔認証などの生体認証技術との組み合わせなど、より高度な機能の追加が期待される。