AI活用エンジニアは高年収の傾向、サーバーワークス調査が示す実態

2025年3月11日、サーバーワークスはITエンジニアの働き方に関する調査結果を発表した。本調査は同年1月14日から1月20日にかけて、全国の企業に勤務する20歳以上のITエンジニア248名を対象に実施されたものである。
AIの活用がエンジニアのキャリア形成に与える影響について、調査結果を基に分析する。
ITエンジニア248名の調査結果
調査によると、AIを積極的に活用している層の過半数が年収600万円以上であるのに対し、AIを活用しない層では年収600万円未満が60%を超えていた。また、2024年に年収が上がったと回答したのはAI活用層で60%以上に達した一方、非活用層ではその半数にも満たなかった。
さらに、AIを活用するエンジニアの多くが自由出勤制を導入する企業に勤務していることが判明した。これに対し、AIを活用しない層では、完全オフィス勤務の割合が最も高かった。
AIの活用と転職意向の関係にも明確な違いが見られた。
AIを積極的に活用するエンジニアの過半数は転職活動を行っており、実際に転職を経験した者も多い。一方、AIを活用しない層の約80%は転職に関心がないと回答した。
副業の実施状況も、AIを活用するエンジニアにおいて顕著であった。
AIを活用しているエンジニアの60%以上が副業を行っているのに対し、活用しない層では副業への関心すらない者が多数を占めた。
今後の展望と予測
今回の調査結果からも明らかなように、AIの活用はエンジニアの収入や働き方に大きな影響を与えている。この流れは今後も続き、AIスキルを持つエンジニアの市場価値はさらに高まる可能性がある。
特に、企業が生成AIを業務に本格導入するにつれ、AIを活用できる人材の需要は拡大していくだろう。
一方で、AIを活用しないエンジニアとの差が広がることで、労働市場の二極化が進む懸念もある。AIスキルを持たない層は、キャリアの選択肢が限られ、収入面でも不利になるかもしれない。
そのため、今後のIT業界では、AIリテラシーを向上させるための教育や企業内研修が一層重要となる。
また、AIを活用するエンジニアが転職や副業に積極的であることから、フリーランスやギグワーカーの増加も予測される。企業側は優秀な人材を確保するために、給与水準の引き上げや新たな勤務制度の導入といった対応が求められる。
AIの進化とともに、エンジニアのキャリアパスもこれまで以上に多様化していくだろう。
継続的な学習やスキルアップを怠らず、時代の変化に適応できる柔軟性を持つことが、今後の成功の鍵と言えそうだ。