北海道大学発スタートアップLetara、宇宙実証へ向けて6.5億円の資金調達を発表

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2025年3月11日、北海道大学発のスタートアップ企業Letaraが6.5億円の資金調達を発表した。具体的には、優先株式の発行、新株予約権付社債の発行、銀行融資などにより調達が行われる。
調達された資金は、宇宙機用スラスターの開発加速と実証実験に充てられる見込みだ。

目次

宇宙機用スラスター開発に向けた6.5億円の資金調達

Letaraは北海道大学の研究成果を基に設立されたスタートアップで、宇宙機用スラスター(※)の開発を行っている。特に、プラスチック燃料を用いた推進システムに注力しており、環境負荷の低減と高効率の実現を目指している。

今回発表された資金調達は、以下の方法で実施された。
優先株式の発行により、全日空商事、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、SMBCベンチャーキャピタル、豊田合成から出資を受けた。
また、新株予約権付社債の発行はあおぞら企業投資が引き受けており、三井住友銀行からの融資も活用している。
これにより、技術開発の加速と宇宙での実証実験に向けた準備が進むことになる。

これまでの累計資金調達額は約18億円に達し、これには補助金も含まれている。Letaraは、これらの資金を活用し、スラスターの技術実証を行う計画だ。
近年、宇宙機の推進技術は、効率性や持続可能性の観点から注目されている。Letaraの開発するプラスチック燃料を用いたスラスターは、新たな推進システムとしての可能性を持つ。

資金調達後に乗り越えるべき壁

Letaraの6.5億円の資金調達は、日本の宇宙産業の発展に寄与する動きとして評価できる。特に、プラスチック燃料を用いたスラスター開発は、環境負荷の低減とコスト削減の両面でメリットがある。この技術が実用化されれば、持続可能な宇宙開発の推進につながる可能性がある。

一方で、課題も少なくない。まず、宇宙機の推進技術は高度な開発力を必要とし、技術的なハードルが依然として高い。特に、プラスチック燃料の宇宙環境での耐久性や推進効率の検証が求められる。

また、資金調達が成功したとしても、開発コストの増大や商業化に向けた市場確保の難しさは依然として課題だ。宇宙関連技術は開発期間が長期化する傾向にあり、今後も継続的な資金調達が求められる可能性がある。

今後の展開としては、宇宙での実証実験が重要なマイルストーンとなる。
この実験が成功すれば、民間企業や官公庁からの関心が高まり、新たな契約獲得につながるだろう。加えて、海外企業との協業も視野に入れるべきだ。
宇宙産業はグローバル市場での競争が激しく、日本国内の資金調達だけでなく、国際的なパートナーシップを構築することが成長の鍵となる。

Letaraの取り組みは、技術的な革新をもたらす可能性を秘めているが、その実現には時間とさらなる投資が必要になるだろう。

※スラスター:宇宙機の軌道修正や姿勢制御を行うための推進装置のこと。化学推進や電気推進など、さまざまな方式が存在する。

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