KDDIが大阪・関西万博で「バーチャル未来の都市」を展開 メタバースで理想都市を疑似体験

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KDDIは2025年3月10日、同年4月13日開幕の大阪・関西万博において、メタバース・Web3プラットフォーム「αU(アルファユー)」を活用した「バーチャル未来の都市」プロジェクトを展開すると発表した。仮想空間で2030年代の理想都市を探索しながら、社会課題の解決策を模索するという、体験型のコンテンツとなっている。

目次

日立製作所など11社が参画、未来都市の社会課題解決を体験

このプロジェクトは「自分たちの生きていたい未来を考える」をコンセプトに掲げ、「幸せの都市へ」をテーマとしている。
参加者はアバターを介して都市空間を散策し、環境問題や人口減少といった社会課題に対するソリューションを体験していく。仮想空間は都市エリアと地方都市エリアで構成され、各ゾーンでは異なる社会課題の解決アプローチが展開されるとのことだ。

プロジェクトには日立製作所、クボタ、川崎重工業、関西電力送配電、神戸製鋼所、IHI、青木あすなろ建設、小松製作所、カナデビア、商船三井などが参画している。各企業は自社の技術やビジョンを反映した未来像を提示する見込みだ。

参加者は、企業が示す未来社会の姿を「ミライリサーチ」と呼ばれる活動を通じて調査し、リサーチノートを作成していく仕組みとなっている。
参加者がリサーチノートを完成させると、特別デザインのNFT(※)を獲得できる特典も用意されている。

また、日立とKDDIによる共同展示「Mirai Theater」も仮想空間内に設けられる予定だ。来場者に、自分自身が望む理想の未来について考えるきっかけを提供するものと考えられる。

「バーチャル未来の都市」の先行体験イベントは、2025年3月14日から10月までの期間、東京都中央区銀座のGINZA 456で開催される。このイベントは事前予約不要、参加費無料で体験可能となっている。

※NFT:Non-Fungible Token(非代替性トークン)の略。ブロックチェーン技術を用いて、デジタルデータの唯一無二性を証明するデジタル資産のこと。

理想の未来社会実現に向けた展望

このプロジェクトは、単なる展示を超え、参加者自身が未来社会のあり方について考え、議論する場を提供するものだ。
プロジェクトが成功すれば、メタバースを活用した社会課題解決型の体験コンテンツはさらに広がっていくと考えられる。企業の参画が増え、より多様な視点から未来社会をシミュレーションする試みが行われる可能性がある。
また、現実社会の政策立案や都市開発にもこうした仮想空間が活用される流れが加速するかもしれない。

一方で、NFT報酬といった要素が参加のインセンティブとして機能するかどうかは、今後の運用次第と言える。単なるデジタル資産として終わるのではなく、継続的な価値を持たせる仕組みが求められるだろう。

仮想空間上で得た知見を現実社会に還元する仕組みが整えば、より実効性のあるプロジェクトへと発展する可能性もあるのではないだろうか。

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