AI生成のアバターとの対話が生む新たな視覚体験 落合陽一氏、万博パビリオン「null²」を発表

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2025年3月7日、大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は、メディアアーティストの落合陽一氏が手掛ける万博パビリオン「null²(ヌルヌル)」で、報道関係者向けの内覧会を開いた。万博のテーマ「未来社会のデザイン」に新たな視覚的インパクトを与えるとともに、デジタルと現実の融合を体験させる場となる。

目次

「null²」パビリオンの革新的な体験

「null²」の最大の特徴は、鏡と特殊な映像技術を駆使して生み出される「無限の奥行き」だ。館内の天井、床、壁には鏡が設置されており、視界のあらゆる場所に映像が映し出され、来場者は現実と仮想が一体となった感覚を体験できる。

さらに、館内にはロボットアームの先端に取り付けられた鏡の「箱」が設置されており、これが動くことで映像が複雑に変化し、より幻想的な空間を作り出している。

もう一つの重要な要素が、AIによるアバター「ミラードボディー」の生成である。来場者は専用のスマートフォンアプリを使用し、自身の全身をスキャンすることで、AIが解析したデジタルアバターと対話することが可能になる。アバターは、単なる映像を超えて来場者の個性を反映し、新しい視点で自分自身を見つめ直す体験を提供する。

「null²」の外観も非常にユニークだ。パビリオン全体は特殊な膜で覆われており、この膜が常に変形することで、表面に映し出される光景が刻々と変化する。動的なデザインにより、来場者は何度訪れても異なる印象を受けることができ、インタラクティブなアート作品としても機能している。

落合陽一氏のビジョンと今後の展望

落合氏は、本プロジェクトについて「万博とは、これまでに見たことのない世界に出会う場である」と語る。そして、「null²」が提供するのは、現実世界とデジタル世界の境界が曖昧になる新たな視覚体験だと強調した。

「null²」は、万博という大規模な国際的イベントで披露されることで、多くの人々にデジタルアートとテクノロジーの未来像を提示する重要な役割を果たすだろう。

今後、このような没入型体験が美術館や商業施設、教育現場などに応用されることも考えられる。
また、来場者が自身のデータを使って新しい自己像と対話するという体験は、自己認識の方法に新たな視座を提供し、心理学や哲学の分野にも波及効果をもたらすかもしれない。

落合氏による先進的な試みが未来社会にどのような影響を与えるのか、その動向に注目が集まる。

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