スタディポケット、AIが教材や板書計画を作成する新機能「マジックプリント」を公開

2025年3月7日、スタディポケット株式会社は新たなAI機能「マジックプリント」を発表した。同機能は、教材や板書計画の作成を支援し、教職員の業務負担を軽減することを目的に開発された。教育現場のデジタル化を推進する革新的なツールとして注目を集めている。
「マジックプリント」の概要
教職員が単元テーマや指導案を入力すると、自動で教材プリントや授業スライド、小テスト、板書計画などを生成する。これにより、準備時間を短縮し、授業の質を向上させることが可能となる。
対応範囲も広く、小学校1年生から高校生の大学受験対策までをカバーする。また、特別支援学校における個別指導計画にも利用でき、学習者ごとに最適化された教材を簡単に作成できる点が特徴だ。出力形式は現在、PDFおよび画像ファイルに対応しており、将来的にはPowerPointやGoogleスライド形式での書き出しも予定されている。
さらに、授業支援だけでなく、校務の効率化にも寄与する。例えば、自由記述のアンケート結果を分析し、視覚化する機能を備えており、教育現場におけるデータ活用を促進する。こうした機能により、事務作業の負担軽減も期待される。
「マジックプリント」は、2025年度中に「スタディポケット for TEACHER」の全教員向けライセンスに標準搭載される予定だ。すでに契約済みのアカウントには同年3月中旬から5月にかけて、新年度から契約するアカウントには4月から7月にかけて順次提供される見込みである。
今後の展望と課題
「マジックプリント」の今後の進化として、AIが授業進行を分析し、リアルタイムで補助教材を提案する機能の追加が予測される。さらに、学習履歴と連携して教材を個別最適化し、学習の進度や理解度に応じた柔軟な支援が実現される可能性も考えられる。
また、生徒主体の学びを支援するインタラクティブな教材の開発にもつながる可能性がある。例えば、生徒の解答傾向を分析し、弱点補強のための問題を自動生成するような仕組みが考えられる。
一方で、教育のデジタル化が進むことで、AIによる教材が画一化し独自性や創造性が損なわれるリスクもある。さらに、特別支援教育に関連するデータはセンシティブな情報を含むため、個人情報の管理やセキュリティ対策の徹底が不可欠だ。
今後は、教師がAIを補助的なツールとして活用しながら、教育の本質的な役割を維持することが求められる。単なる業務効率化にとどまらず、教育の根本的な目的を見据えた活用が重要となるだろう。