マニュライフ、生成AI導入で従業員の75%以上が活用中

日本法人のマニュライフ生命保険が3月7日に発表した情報によると、カナダの金融サービス大手、マニュライフ・ファイナンシャル・コーポレーションは、全世界の従業員の75%以上が生成AIを活用している。
マニュライフ社の取り組みは、AI技術を活用した業務効率化と顧客サービスの向上を目指すものである。
生成AI導入の背景とChatMFCの役割
AI技術の進化に伴い、多くの企業が業務効率化や新たなビジネスモデルの創出を目指してAIを導入している。マニュライフもその一例であり、競争力を維持し、顧客サービスを強化するためにAIの導入を推進している。
特に、2024年に導入された「ChatMFC」は、従業員の日常業務を自動化し、より戦略的な業務に集中できる環境を実現した。このツールは、データ分析や顧客対応、業務運営の効率化を図る機能を備えており、今後も従業員の生産性向上に寄与することが期待されている。
マニュライフは、AI技術の利用を広く可能にすることで、社員が日常業務でその効果を最大限に発揮し、業務の効率化とイノベーションの加速を図っている。また、約10年前からAIの活用を始め、従業員全体にAIツールを浸透させるために積極的な投資を続けている。
従業員のAI活用状況と今後の展望
現在、マニュライフの全世界の従業員の75%以上が生成AIを活用しており、カナダ、米国、アジアで35以上のユースケース(※)が実施されている。
これらのユースケースには、顧客サポート、営業支援、業務運営の自動化などが含まれており、業務の効率化や顧客体験の向上に寄与している。さらに、2025年末までに70のユースケースを優先的に展開する計画であり、AIを活用した新たな翻訳ツールや営業支援ツールの導入も予定している。
AI技術の活用は、データ分析や業務運営の効率化を進めることで、競争力を維持するための重要な要素となる。特に、顧客サポートや営業支援の分野では、迅速かつ正確な対応が可能となり、顧客満足度の向上が期待される。
これらの取り組みにより、マニュライフはデジタル技術を活用して2027年までに投資に対して3倍の収益を上げることを期待している。この目標が達成されるかどうかは、AI技術の進化とその活用方法に大きく左右される。
今後の展開においては、AIの導入が企業の競争力をどのように高めるか、また、従業員のスキル向上がどのように進むかが鍵となるだろう。
※ユースケース:特定のシステムや技術が実際に使用される具体的な場面や方法を指す。