日本の暗号資産口座数が1200万を突破 預託金が5兆円超え

2025年3月5日、日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)が会員情報を更新した。
それによると、2025年1月末時点で暗号資産市場の口座数が1213万8654口座に達し、初めて1200万口座を突破した。同時に、利用者の預託金も約5兆687億円と初めて5兆円の大台を超えた。
この急増はトランプ大統領就任式とビットコイン価格の史上最高値更新などを背景に、国内の暗号資産への関心が高まっていることを示している。
暗号資産口座数と預託金が急増
暗号資産口座数は2025年1月末時点で1213万8654口座に達し、1200万口座を初めて突破した。過去数年間にわたる暗号資産の普及と市場拡大を反映している数字と言えるだろう。
この成長を後押しした要因の一つが、トランプ大統領の就任である。トランプ政権が暗号資産に対して積極的な姿勢を示していることが、投資家の期待感の高まりにつながっているのだ。
加えて、ビットコイン価格が史上最高値となる10万9000ドル(約1700万円)を記録したことも、新規投資家の参入を促進する要因になったと考えられる。
利用者の預託金についても、約5兆687億円と初の5兆円超えを達成しており、暗号資産への投資熱が高まっていることが明らかになった。
特にビットコインを中心とした主要暗号資産の価格上昇が、投資家の資金流入を促進していると考えられる。
取引所の積極施策と今後の市場展望
この急増の背景には、国内暗号資産取引所による新規顧客獲得への積極的な取り組みがある。
主要取引所各社は手数料の一時的な引き下げや新規口座開設者向けのキャンペーンを展開しており、これが業界全体の活性化につながっている。また、一般ユーザー向けの暗号資産教育コンテンツの充実も図られており、初心者でも参入しやすい環境が整備されつつあるのだ。
JVCEAの発表によると、年齢層別では20代から40代の投資家が新規口座開設の中心となっている。若年層の仮想通貨への関心が、口座数と預託金の増加につながっているのだ。
今後の市場展望については、専門家の間でも意見が分かれている。
一方では「価格の急騰に伴う調整局面が訪れる可能性がある」との慎重な見方もあるが、他方では「機関投資家の参入など、市場の成熟化が進んでいる」として、さらなる成長を予測する声も強い。
いずれにせよ、暗号資産市場は日本の金融システムにおいて無視できない存在となっており、その動向は今後も注目される重要なテーマとなるだろう。