メルカリ、高額商品の取引で本人確認を必須化 2025年3月から新ルール導入

メルカリは2025年3月19日から、高額商品の出品および購入時に本人確認を必須とする新ルールを導入することを、同年3月5日に発表した。
この施策は、取引の安全性を向上させ、利用者が安心して売買できる環境を構築することを目的としている。本人確認はeKYC(電子的本人確認 ※)によって行われ、マイナンバーカードの読み取りや顔写真付きの本人確認書類の提出が必要となる。
高額商品の取引におけるリスクと本人確認導入の背景
メルカリはこれまでも不正取引防止の一環として、銀行口座登録や一定の取引条件における本人確認を求めてきた。
しかし、近年は高額商品の売買に関連するトラブルが増加しており、より厳格な対応が求められている状況だ。特に、身元を偽って取引を行うケースや、盗品の販売が問題視されるようになっている。
そこでメルカリは、2024年11月に新たな補償方針を発表し、不正取引や詐欺被害に対応するための枠組みを拡充した。
今回発表された施策もその一環である。高額商品の取引における本人確認を義務化することで、リスク管理を強化することが主な目的とされている。
売り手と買い手双方の信頼性を担保する方針を打ち出すことにより、利用者がより安全に取引できる環境を実現できると考えられる。
本人確認の詳細と利用者への影響
メルカリが導入する本人確認は、二つの方法によって行われる。
一つは、マイナンバーカードをスマートフォンで読み取る方式であり、もう一つは、スマートフォンで本人確認書類と顔を撮影する「自撮り方式」だ。
いずれの方法でも、本人確認を完了した利用者のみが高額商品の出品や購入を行える仕組みとなる。
この施策によって、取引の安全性は向上すると考えられるが、利用者側には一定の負担も発生する。特に、マイナンバーカードを持っていない人や、本人確認書類の提出に抵抗を感じる利用者にとっては、ハードルが高い可能性がある。
また、具体的な対象金額や条件が現時点では明示されておらず、今後の発表を待つ必要がある。
メルカリは、こうした施策を通じて取引環境の健全化を進めると同時に、利便性の向上にも取り組むことが求められるだろう。高額商品の安全な取引を実現しながら、利用者の負担を最小限に抑えるための施策が今後どのように展開されるのか、引き続き注目したい。
※eKYC(electronic Know Your Customer):電子的な本人確認を指す。金融機関やオンラインサービスが利用者の身元を確認するために用いる手法で、書類のアップロードや顔認証技術を活用して本人確認を行う。