AIの採用への応用進む 新AIツール「Pin」が採用期間を60日から2週間に短縮

米国のHR業界でAI活用が急速に進んでおり、2024年1月の調査では前年比で倍増となる38%の企業がHR部門にAIを導入済みまたは導入予定であることが判明した。
特に注目を集めているのが、1億件以上の履歴書を同時分析し、採用期間を60日から2週間に短縮する採用自動化ツール「Pin」である。
HR業界におけるAI活用の現状と課題
米国のHR業界においてAI技術の導入が急速に進んでいる。
2024年1月に実施されたガートナーの調査によると、HR部門で生成AIを導入済み、または導入計画中の企業は38%に達し、前年の19%から大幅な増加を記録した。
その主な用途としては、社員向けチャットボット(43%)、HR関連の管理業務(42%)などが挙げられる。さらに、離職率や定着率の分析にAIを活用しているHR担当者は82%にのぼるという。
一方で、米国の採用プロセスには依然として課題が山積している。採用のための一連のプロセスは複雑かつ時間を要する。特に書類の精査は担当者にとって大きな負担となっており、採用プロセス全体の所要時間は平均24日と長期化している。
加えて、オンライン応募の普及により応募者数が急増したことで、HR部門の業務負担はさらに増大しているのが現状だ。
採用自動化ツール「Pin」
こうした課題に対応するため登場したのが、AIを活用した採用自動化ツール「Pin」である。このツールの最大の特徴は、1億件以上の履歴書を同時に分析し、高精度で候補者をマッチングできる点で、従来60日を要していた候補者探しの時間を2週間にまで短縮することに成功したという。
また、シンプルなインターフェースを採用しており、求人要件を入力するだけで採用プロセスが自動化される利便性も評価されている。
市場調査によれば、47%の企業が採用までの時間に不満を抱えており、採用プロセスが効果的に機能していると考えている企業は56%にとどまっていることから、「Pin」のようなツールへの期待は高まっている。
同社は今後、主要な採用管理システムに対応可能な「応募者評価システム※」の開発を計画しており、さらなる市場拡大が見込まれる。人材採用市場全体としても、2023年の7576億ドルから2031年には2兆313億ドルへと拡大する見通しで、年平均成長率は13.1%と予測されている。
採用の手間が増加する現在、AI技術の進化に伴い、HR業界の効率化と高度化は今後も加速するだろう。一方で、採用プロセスの人間的な面が失われるリスクも看過できない。応募者とのコミュニケーション自動化は効率化をもたらす半面、企業文化の伝達や相互理解の機会を減少させる恐れが強い。
企業は、AIと人間がどのように採用プロセスに関わるのかを、自動化による利便性と人間的な目線を十分に考慮した上で、決定していく必要があるだろう。
※応募者評価システム:AIを活用して応募者の経歴、スキル、適性などを自動的に評価し、求人ポジションとのマッチング度を数値化するシステム。
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