DeepSeek、利益率を公表 「理論上は545%」とするも一部コストを反映せず

中国のAIスタートアップ、DeepSeekは2025年3月1日、同社のAIモデル「V3」と「R1」のインファレンシングコストにもとづき、24時間あたりの理論上の利益率が545%に達すると発表した。しかし、実際の収益は複数の要因によりこの数値より低い可能性があると同社は認めている。
理論上の高利益率の背景と実際の収益性
DeepSeekは、AIモデル「V3」と「R1」のインファレンシング(推論)コストに基づき、2025年2月最終日の24時間で理論上の利益率が545%に達したと報告した。
インファレンシングとは、AIモデルがリアルタイムで動作するために必要な計算能力や電力、データストレージなどのリソースを指す。
同社は、NvidiaのH800チップを1時間あたり2ドルでレンタルし、1日あたりの推論コストを87,072ドルと算出している。これに対し、理論上の1日あたりの収益は562,027ドルと見積もられ、これが545%の利益率につながっている。
しかし、DeepSeekは実際の収益がこの理論上の数値よりも低いことを認めている。その理由として、収益化されているサービスが限られていること、オフピーク時に割引を提供していること、そして研究開発(R&D)や研修関連のコストが考慮されていないことなどが挙げられる。
これらの要因により、実際の利益率は理論上の数値よりも低くなる可能性が高い。
AI業界におけるDeepSeekの位置付けと今後の展望
DeepSeekは、2023年に創業者のLiang Wenfengによって設立され、主にヘッジファンド「High-Flyer」からの支援を受けている。
同社の主力AIモデルである「DeepSeek-V3」と「DeepSeek-R1」は、低コストで高性能を実現しており、特にR1は高度な推論能力を持つ。
これらのモデルは、Mixture-of-Experts(MoE)アーキテクチャを採用し、効率的な学習と高いパフォーマンスを実現している。
同社は、複数のサーバーやデータセンター間でのトラフィックの負荷分散を行い、計算能力の最適化を図っている。
また、データ処理の最適化により、ユーザーのクエリに対する応答時間を管理する技術も開発しており、これによりユーザー体験の向上が期待される。これらの技術的革新により、DeepSeekはAI業界内で独自の地位を築いている。
さらに、DeepSeekのオープンソース戦略は、他のAI企業に対して価格競争を促し、業界全体の競争を激化させている。
このような状況下で、AIスタートアップのビジネスモデルの透明性と持続可能性に関する議論も高まるとみられる。
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