人工衛星やARグラスなどの先進技術が資金を集める スタートアップ資金調達リサーチ【Week : 2/3-2/7】
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2月が始まり、引き続き様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しました。この記事では、2月3日から2月7日の間にリリースされた、スタートアップの資金調達ニュースをまとめています。 さらに、事業内容、調達金額、今後の展望についても詳しく解説します。
超小型衛星開発のアークエッジ・スペース、シリーズBで総額80億円を調達
事業内容: 超小型衛星コンステレーションの企画・設計から量産化、運用まで総合的なソリューション提供
調達金額: 80億円
引受先: インキュベイトファンド、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、WiL、三菱UFJ銀行、SMBCベンチャーキャピタル、SMBC日興証券、みずほキャピタル、ヒューリックスタートアップ、未来創造キャピタル、清水建設、静岡キャピタル、スパークス・アセット・マネジメント、三井住友海上キャピタル、スカパーJSAT、フォースタートアップスキャピタル
今後の展望: 商業衛星コンステレーションの構築加速化、衛星基盤技術の獲得、人材基盤の拡充、50kg級超小型衛星の量産体制構築
アークエッジ・スペースは、超小型の人工衛星を開発する、宇宙系のスタートアップです。開発している6U衛星シリーズは10 cm x 20 cm x 30 cmの卓上サイズながらも、IoTデータ収集、リモートセンシング、船舶向け衛星通信(VDES)、光通信などの機能を備え、多様なミッションに対応できます。昨年11月には6U衛星の汎用バスの基本設計、開発、量産試験を完了し、打上げ・軌道上実証のフェーズへ移行しています。
アークエッジ・スペースは組織規模を広げており、2022年3月のシリーズA以降、累計受注・採択総額が320億円を超え、従業員数も4.5倍に増加し120名以上となっています。特に船舶向け衛星通信の分野では、NEDOの「経済安全保障重要技術育成プログラム」に採択され、基本的な衛星システムの設計や重要要素技術の開発等に取り組んでいます。
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ARグラスのための技術を開発するCellid、20億円の資金調達を実施
事業内容: ARグラス用ディスプレイおよび空間認識エンジンの開発
調達金額: 20億円
引受先: 日本政策投資銀行、モアマネジメント、KVIF-Ⅰ投資事業有限責任組合、15th Rock、FFGベンチャービジネスパートナーズ
今後の展望: ARグラスのキーコンポーネントとなる製品やリファレンスデザインのラインナップ強化、ユースケース開発の促進、量産体制の強化
Cellidは、ARグラス本体や、ARグラス用ソフトウェア開発キット、またARグラス用ディスプレイなど、ARグラスに関連する様々なプロダクトを開発するスタートアップです。特に広視野かつ軽量のウェイブガイドの開発・設計において業界最先端の技術を有しており、Cellidいわく、プラスチック製でウェイブガイドでのフルカラー映像を映し出す技術開発に世界で初めて成功したといいます。
昨年11月には、光学シースルーディスプレイ方式のウェイブガイドを採用したメガネタイプのARグラスのリファレンスデザインを発表しました。同社独自のウェイブガイドにより、通常のメガネと変わらないデザイン、約58gという軽量化を実現し、従来のヘッドマウントディスプレイ型に比べ、長時間使用でも疲れにくい装着感を実現しています。今後は、本格的な市場投入を狙っています。
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Web3のエンターテイメントを発信するTOKYO GameFi、総額10.5億円の資金調達を実施
事業内容: Web3プロジェクトのコンセプトメイクやアートデザインなどの監修・制作
調達金額: 10.5億円
引受先: SBIインベストメント、デジタルハーツホールディングス、その他2社
今後の展望: グローバルのWeb3市場をターゲットにしたクリエイティブ強化、技術面での強化、優秀な人材の採用、新しいシステムへの投資
TOKYO GameFiは、「Web3」「エンターテイメント」「グローバル」の掛け算が持つ可能性に挑戦するため、2022年に設立されたWeb3スタートアップです。同社でコンセプトメイクを手がけgumi社で開発中の「TOKYO BEAST」は、Web3をメインにしたIPプロジェクトで、独創的な世界観やクオリティの高さが評価されています。
2024年10月にはCA GameFiからTOKYO GameFiへと社名を変更し、Web3におけるグローバル拠点の1つである東京を象徴する社名として、より多様な投資家やパートナー企業との協業を目指しています。
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HRプラットフォーム「ミキワメ」を提供するリーディングマーク、16.2億円の資金調達を実施
事業内容: 「Personality Tech」を通じたHR事業
調達金額: 16.2億円
引受先: フェムトパートナーズ、ジャパン・コインベスト4号投資事業有限責任組合、三菱UFJキャピタル、XTech Ventures、SBI新生企業投資、東京大学協創プラットフォーム開発、マネーフォワード、DGりそなベンチャーズ1号投資事業有限責任組合、TNBI一号投資事業有限責任組合、商工組合中央金庫、その他個人投資家
今後の展望: 離職防止・生産性向上を支援する新機能開発、AI活用強化
リーディングマークは、「採用のミスマッチ」と「従業員の離職」を減らすHRプラットフォーム「ミキワメ」を提供しています。「ミキワメ」は、10分程度の性格検査で、人材と会社のマッチ度を診断できるサービス。2020年4月のリリース以来、累計導入社数4,000社、累計総受検者数130万人の実績を持ち、利用が拡大しています。性格データ・エンゲージメントサーベイの情報と心理学の知見、OpenAI等のAPIを組み合わせたアルゴリズム「ミキワメAI」も人気を博しています。
また、リーディングフォームは5日、1on1を起点にメンバーの成長と成果を最大化するマネジメント支援サービス「ミキワメ マネジメント」をリリースしました。性格データ・エンゲージメントサーベイの情報とAIを組み合わせることで、メンバーが目標に向かって前向きに取り組めるよう、マネージャーが的確にサポートできる仕組みです。今後、さらなる離職防止や生産性の向上を狙ったプロダクトを展開していく予定です。
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ドライバー向けマイクロファイナンスを行うHAKKI AFRICA、19.7億円の資金調達を実施
事業内容: アフリカでのタクシードライバー向けマイクロファイナンス事業
調達金額: 19.7億円
引受先: SMBCベンチャーキャピタル、グローバル・ブレイン、農林中央金庫、グローブアドバイザーズ、ごうぎんキャピタル、三井住友銀行、Funds Startups、北國銀行、ファルス
今後の展望: 海外展開の強化
HAKKI AFRICAは、アフリカのタクシードライバーが自分の車を持てるよう支援する事業を展開するフィンテックスタートアップです。アフリカでは多くのドライバーが他人の車を借りてタクシー営業をしていますが、その収入の大部分がレンタル料として支払われてしまうため、経済的な自立が難しい状態です。HAKKI AFRICAは、独自の審査システムを開発し、従来の銀行では融資を受けられなかったドライバーに対しても、その人の実績や信頼性を正確に評価することで、車両購入のための融資を提供しています。こうした、低所得者を対象にした小規模金融サービスはマイクロファイナンスと呼び、金融機会の拡大という観点から近年注目を集めています。
この取り組みは、ドライバーたちから大きな支持を得ており、事業の成長も順調です。創業から3年連続で黒字を達成し、特に昨年は前年と比べて利益が13倍以上に拡大。アフリカの交通インフラ整備と現地の人々の経済的自立を同時に実現する新しいビジネスモデルとして、今後のさらなる展開が期待されています。
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まとめ
2月3日から2月7日の資金調達例をまとめました。
今週は、アークエッジ・スペースの80億円やHAKKI AFRICAの19.7億円など、大型の資金調達が目立ちました。特に注目すべきは、宇宙開発、AR技術、Web3といった先進技術分野への投資が活発だったことです。また、リーディングマークのようにAIを活用したHR技術の開発や、HAKKI AFRICAのような新興国市場でのフィンテック事業など、テクノロジーを活用して既存産業に革新をもたらす企業への投資も継続しています。
「Plus Web3」では、今後も資金調達例を紹介してまいります。
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