暗号資産決済サービスSlashって何?今後の展望を考察

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本記事は主にweb3に興味があるけど、日常生活にどのように活かされるか疑問を感じている方へ向けた記事です。

X(旧:Twitter)等でSlashがすごいって見るけど何がすごいの?

決済サービスってどれも一緒じゃない?むしろ暗号資産・仮想通貨なんだから直接送れば一番安いのでは?

そんな疑問を持ったので今回詳しく調べてみました。

Slashとはどんなサービスなのか、Slashの特徴や使用事例、競合との比較、暗号資産決済サービスの展望を考察していきます。

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目次

Slashとは

Slashとは、暗号資産での支払いを簡単に行える決済プロトコルです。イメージとしては、PayPayの暗号資産版と考えると理解しやすいかもしれません。

具体的にはスマートコントラクトで第三者の分散型金融Dapps(Uniswap等)に接続し、スマートコントラクトによるトークン変換処理(ETH→USDT等)を自動化することで、スムーズに支払いを可能にしています。

実店舗やオンラインサイトに導入することで、加盟店は暗号資産による決済を直接受け取ることができます。

Slashの特徴

Slashの特徴としては大きく以下の5つです。

  • 支払いが簡単
  • ヒューマンエラーの要素を排除
  • 最も支払い効率が良いレートを保証
  • 導入・運用が簡単
  • 為替リスクによる金銭的損失の回避

詳しくみていきましょう。

支払いが簡単

Slashの特徴はなんと言っても支払いが簡単なことです。百聞は一見にしかずなので、以下の動画を見てください。

引用:https://youtu.be/kxJgnOV54Ns

QRコードを読み込み、支払う通貨を選択するだけで支払いが完了します。

誰でも直感的に理解できるのが素晴らしいですね。

ヒューマンエラーの要素を排除

先程説明しましたが、操作がとても簡単なのでヒューマンエラーによる誤送金が発生しにくいです。

もし送金先のアドレスを入力したり、支払い金額を自分の持っている通貨に換算したりすると操作がややこしくなるため、ヒューマンエラーが発生する可能性が高くなります。

しかしSlashでは操作を出来るだけ簡素にすることで、ヒューマンエラーの要素を排除しています。

最も支払い効率が良いレートを保証

Slashでは選択した通貨を自動でUSDTに変換して支払いをします。その際の自動変換では、いくつかのDEXの中で最も効率の良いレートのDEXを選択するようプログラムされています。

そのためユーザーは最低価格での支払いを行うことができます。

導入・運用が簡単

Slashは迅速かつ簡単に導入することができます。

クレジットカードでの支払いを導入するのと同じ感覚でできるので、お店側の負担も少なく導入のハードルが低いです。

またブロックチェーン等の専門知識も不要なので、お店側も安心して導入することができます。

為替リスクによる金銭的損失の回避

暗号通貨は価格変動が激しいため、暗号通貨で支払われると価格変動により価値が大きく下がる可能性があります。

しかしSlashでは支払いに選択された通貨をステーブルコインであるUSDTに自動で変換し、お店側はUSDTで受け取れるため、為替リスクによる金銭的損失を回避することができます。

Slashが提供するサービス

上記5つの特徴が発揮されているSlashのサービスを紹介します。
Slashの利用を検討されている方はぜひご参照ください。

「Slash Payment」

「Slash Payment」とは、効率的かつ簡単な暗号資産・仮想通貨の支払いを誰でも行えることを目指した決算サービスです。「Slash Payment」はSlashの主軸サービスと言えます。

「Slash Payment」は、実店舗での支払いと電子商取引の両方に対応しています。

実店舗での支払いに関しては、「Slashの特徴」の項目に添付したYouTube動画のように、店先のQRコードを読み取り、支払い金額と支払いトークンを入力することで簡単にお会計ができます。

以下のXポストは実際に「Slash Payment」が実店舗で使われた例です。
画像内右のQRコードをSlashアプリで読み取ると店舗の支払いができます。

電子商取引に関しては、「Slash Payment」を任意の電子商取引サイトに統合することで、支払方法として追加することができます。

「Slash Payment」公式サイト:https://slash.fi/

「Slash Card」

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000113938.html

「Slash Card」とは、USDCやUSDTなどのステーブルコインを担保として、Slashアプリ内で発行されるクレジットカードを国際ブランドとして利用できるサービスです。

「Slash Card」は日本の決済規制に準拠しているため、日本での支払いにも用いることができます。合法の暗号資産・仮想通貨クレジットカードとしては「Slash Card」が日本初です。

もちろん、使用する際にはトークンやステーブルコインを瞬時に最適なレートで自動交換する機能が付いています。

「Slash Vaults」

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000113938.html

「Vaults」とは「金庫」という意味であり、「Slash Vaults」とはその名のとおり、暗号資産・仮想通貨の管理に関するSlashの提供サービスです。

ユーザーは、自身のWeb3ウォレットを「Slash Vaults」に接続することで「暗号資産の金庫」のようなサービスを享受できます。

「Slash Vaults」では主に以下の4サービスが提供されています。

  • 預け入れ
  • 引き出し
  • タイムロック
  • 投資

預け入れ

「預け入れ」は、ユーザーが保有しているFT(Fungible Token:代替可能なトークン)を預けることで、誰に対しても簡単にエアドロップできるSlash Vaultsの機能です。

暗号資産の保有者(預けた本人)が行うトランザクションでしかトークンを引き出すことができないため、安全性が確保されています。

引き出し

「引き出し」は、「預け入れ」機能やエアドロップで入金されたFTを出金する機能です。

上記したように、引き出しできるのは暗号資産を預けた本人のみです。

タイムロック

「タイムロック」は、トークンに時間制のロックをかける機能です。

FTを預け入れたり、エアドロップしたりする時に「タイムロック」機能を有効にすることで、指定した時間だけ該当トークンに使用制限をかけることができます。

投資

預け入れられたトークンを投資のために割り振ることができる機能です。

投資により利回りが発生すると、自動的にSlash Vaultsに預けられて再投資のために運用することができます。

「Slash Vaults」公式サイト:https://www.vaults.fi/

Slashのエコシステム「Slash Vision Labs Token(SVL)」

「Slash Vision Labs Token(SVL)」とは、Mantle Network上で発行されているSlashのガバナンストークンです。SVLは、2024年4月に海外の大手暗号資産取引所「Bybit」にてIDOが実施されたのち、現物上場しました。

上場当時は「1SVL = $0.0019」で取引開始され、現在(2024年7月3日時点)は「1SVL = $0.0114」付近で推移しています。(参考:https://www.coingecko.com/ja/%E3%82%B3%E3%82%A4%E3%83%B3/slash-vision-labs

Slashは、Web3社会において利益の民主化を目指しています。SVLはその目標達成のために活用されています。

Slashでは決済手数料として支払い者から決済金額の0.2%~0.6%を徴収することで利益を得ています。そして、その利益はMantle Networkでの「MNT」購入に充てられています。

Slashが発行する特別なNFT(SVLのステーキング状況に応じて入手可能)の保有者に週に一度、購入したMNTを分配する仕組みです。

このエコシステムにより、SVLの需要維持や利益の民主化が実現されています。

また、Slashは既存ユーザーへの利益還元や、新規ユーザーの取り込みを目的に、定期的にSVLをエアドロップしています。

公式のホワイトペーパーによると、エアドロップを受けるためには以下のような条件があるようです。

  • Slashが発行する特別NFT(「Alice NFT」、「Genesis NFT」など)の保有
  • SVLを一定量・一定期間ステーキングしている
  • Slashのコミュニティやキャンペーンへの参加

SVLのエアドロップ情報に関して、詳しくは以下の公式ホワイトペーパーをご参照ください。

Alice ホワイトペーパー」by Slash

Slashの競合と比較

PayPal

引用:https://www.paypal.com/us/digital-wallet/manage-money/crypto

PayPalでは従来の支払い方法の選択肢に暗号資産が追加されました。

暗号資産はBTC ,ETH ,LTC ,BCHの中から選択します。

ユーザーはPayPalが定めるレートで法定通貨に変換し、支払いを行うことができます。店舗側は法定通貨で代金を受け取ることができます。

現在、米国内でのみ利用可能です。

Crypto.com Pay

Crypto .comアプリor外部ウォレットと接続して暗号通貨支払いができます。

実際の支払い画面を見ながら解説します。

Crypto.com Payを選択すると、アプリor外部ウォレットを選択できます。

外部ウォレットと接続すると、支払通貨を選択することで決済できます。

アプリで読み込む場合は、自分のCrypto.comに保有している通貨から選択します。

暗号資産決済サービスとしての競合を調べましたが、ほとんどがECサイト等のオンラインショッピングを対象としたサービスであり、実店舗で使えそうなサービスはほとんどありませんでした。

(Stripeも暗号資産決済サービスを開始することは発表しましたが、現時点では一部でしか利用できず詳細が不明であったため、ここでは解説してません。)

また他のサービスは特定の通貨での支払いを要求しているものが多く、支払い前に自分で交換する手間がかかること、支払われた暗号通貨は独自のレートによって法定通貨に交換された上で支払われるので、支払い効率の良さからもSlashが優れていると感じました。

暗号資産決済サービスの展望

結論から言うと、筆者は暗号資産決済サービスは日常的に使われるようになると考えています。理由は圧倒的に決済手数料が安いからです。

現在一番利用されている決済サービスはクレジットカードです。そして業種によって異なりますが、クレジットカードの決済手数料は3〜10%と言われています。

Slashの決済手数料0.2~0.6%を見て分かる通り、クレジットカードの1/10以下であり、圧倒的に決済手数料が安いことが分かります。

現在は暗号資産に対する不信感等もあるので中々浸透しにくいとは思いますが、経済的メリットがあるので長期的には普及すると考えています。

次にどのサービスが普及するかについてですが、操作性と決済手数料、暗号通貨の変換効率がポイントになると考えます。

まだ暗号資産決済サービスが少ないこと、筆者が実際に利用できていないことから予想は難しいですが、上記のポイントを考慮すると他のサービスより有利であるSlashが有力候補だと考えます。

一つの懸念事項としては、クレジットカードや他のサービスは基本的に店側が決済手数料を負担するのに対し、Slashは支払い側が決済手数料を負担することになっています。

支払い側からすると余計なお金を払うことになるので、ネガティブな印象を持つ可能性があります。

しかし画期的なサービスであることは間違い無いので、日本発、世界で使われるサービスとなるSlashの躍進を見守りたいと思います。

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