Uniswapが公開したNFTアグリゲーターとは?DEXの新展開に期待

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本記事は、昨年11月末に発表されたUniswapのNFTアグリゲーター機能についての深掘り記事となります。

目次

Uniswapとは?

まずはUniswapについての簡単なおさらいです。

https://uniswap.org/blog より

「Uniswap(ユニスワップ)」は2018年にリリースされたDeFi(分散型金融)アプリケーションのひとつです。イーサリアム上で開発されており、中央管理者が存在しない「分散型取引所(DEX)」として運営がおこなわれています。

UniswapはDEXの先駆けとして存在しており、その後も複数のDEXが生まれましたが、今なおDEXの中で存在感を放っています。

ユーザーがイーサリアムトークンをユニスワップの「流動性プール」に供給し、アルゴリズムが需要と供給に基づいて市場価格を決定し、一定のルールに従って、自動的に取引を実行するシステム「AMM(Automated Market Maker)」を活用することで中央管理者が存在しない取引所を実現しています。

また、ガバナンストークンとしても機能する独自トークン「UNI」を発行しており、その運営もDAO化させています。

https://uniswap.org/blog/uni より

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UniswapのNFTアグリゲーターとは?

そんなDEXの先駆けである「Uniswap」が2022年11月30日にNFTアグリゲーター機能付きのNFTマーケットプレイスを実装したことを発表しました。

これは2022年6月にUniswapが買収したNFTアグリゲータ「Genie」の機能を元にした機能追加と言えます。そのため、既存のGenieユーザーに対して500万ドル分のUSDCをエアドロップするとの発表もしています。

この機能によって、DEXでのNFT取引が活性化することが見込まれていますが、NFTアグリゲータとは何なのか、どんなメリットがあるのかについて解説します。

○NFTアグリゲータとは?

一言で言えば、複数のNFTマーケットプレイスを横断して検索や購入ができる機能のことです。UniswapのNFTマーケとプレイスでは、OpenSea、X2Y2、Sudoswap、LooksRare などを含むすべての主要な NFT マーケットプレイスからのリストが表示されます。

https://app.uniswap.org/#/nfts/collection/0xbc4ca0eda7647a8ab7c2061c2e118a18a936f13d より

この機能によって、NFTのリスト数が既存マーケットプレイスよりも増え、

https://twitter.com/Uniswap/status/1597953698449494022?s=20&t=fhbNFzYtWuq-QDNjhTBxww より

ガス代も安くなると発表しています。

https://twitter.com/Uniswap/status/1597953698449494022?s=20&t=fhbNFzYtWuq-QDNjhTBxww より

つまり、ユーザーからすればUniswapのNFTマーケットプレイスを見るだけで、OpenSea等の他のマーケットプレイスを見る必要がなく、NFTの購入や売買が可能となるわけです。

UniswapのNFTアグリゲーターと競合するサービスとの優位性と展望は?

このNFTアグリゲータ機能ですが、ここまで聞けば「ユーザーにとって最高の機能」であることがわかりますが、同様の機能を提供しているNFTマーケットプレイスについても紹介します。

○新興NFTマーケットプレイス「Blur」

最も有名なNFTアグリゲータ付きのマーケットプレイスは「Blur」です。2022年10月にリリースされるとすぐにOpenSeaの取扱高を超えるほどの盛り上がりを見せました。

https://dune.com/sealaunch/NFT より

Blurはアグリゲータ機能だけでなく、売買手数料を0%にしたり、独自トークンのエアドロップを匂わせたマーケティングなど、他にも要素がありましたが、複数のNFTマーケットプレイスを横断して検索や購入ができるNFTアグリゲータ機能は大きな反響を呼びました。

○Uniswapの展望は

では、同様の機能がついたNFTマーケットプレイスが存在する中でUniswapは今後どのようになっていくのでしょうか。

Uniswapの最大の特徴はやはり「DEX」である点にあります。先ほど例で挙げたBlurはこれから独自トークンを発行していく段階です。そう考えると、Uniswapは既に独自トークンによるガバナンスの分散化に成功しており、それでも取引が回り続けています。

また、Uniswap開発会社のUniswap Labsは、今回のアグリゲータ機能つきのNFTマーケットプレイスの元となった「Genie」を買収した際のプレスリリースにて、Uniswapをweb3のユーザーと開発者のための包括的なプラットフォームにしていくと表現していました。

ここから読み解くに、Uniswapはweb3におけるあらゆる取引をDEXで実現していくプロトコルになっていくのではないか?と予想します。

クリプトの売買から始まり、今回NFTの売買機能が加わりました。今後も、DAOのガバナンスツール等へ展開していっても不思議ではありません。web3の時代におけるインフラをひたすら展開していくと考えられます。

そう考えると、既に分散化したガバナンスが成功しているUniswapはインフラとなる基盤を作るに当たって大きなリードをしているとも考えられます。反面、DAOによる意思決定よりも中央集権による意思決定の方がスピード感を持ってプロダクトの改善を回していくことができるので、この対立やどちらがユーザーからの支持を集めるのかに注目するのも面白そうです。

個人的に、直近はUniswapとBlurのNFTマーケットプレイスのどちらが拡大していくのかに注目しています。

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参考文献

本記事に使用した文献は以下になります。

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