地域の課題解決や関係人口の創出を行う「地域おこし協力隊DAO」
2024年10月15日、株式会社あるやうむ(以下、あるやうむ)が、「地域おこし協力隊」とデジタルコミュニティ(DAO)を組み合わせた新たな地域活性化サービス『地域おこし協力隊DAO』の北海道第二弾を増毛町で開始することを発表しました。
地域おこし協力隊員がDAOを活用し、地域に関心を持つ「関係人口」の創出や、革新的な地域課題の解決を目指しています。自治体によるDAO設立を促進し、地域活性化とDXの推進が期待されており注目されているプロジェクトのため、本プロジェクトの詳細を考察します。
『地域おこし協力隊DAO』とは
『地域おこし協力隊DAO』は、地域の課題解決や関係人口の創出を目的として、地域おこし協力隊の活動にDAOとNFTを組み合わせた新しい取り組みです。
移住DAOマネージャー登録制度にて、地域に移住し、地域おこしに貢献するコミュニティマネージャーが登録され、地域ごとに適任者が選ばれます。
コミュニティマネージャーがDAOを立ち上げ、地域住民や関係者と共に自律的な分散型の活動を進めていきます。DAO運営や技術提供に加え、就任後の活動をサポートする仕組みも整えられており、地域課題の解決だけでなく、関係人口の創出も期待されています。
DAOを活用した地域おこし協力隊の活動を通じて、地域ごとの課題を解決しながら、持続可能な地域社会の形成を目指します。このような柔軟で参加者主導の仕組みは、従来の中央集権的なアプローチとは異なり、より多様な形での地方創生が可能となります。
『地域おこし協力隊DAO』サービス詳細
『地域おこし協力隊DAO』は、地域おこし協力隊制度の枠組み内で、自治体がDAOを設立するための包括的な支援を提供しています。
具体的には、適任者の募集・選定、活動中のサポート、そしてデジタル技術の提供という3つのサービスを一貫して行っています。
1. 適任者の募集・選定
『地域おこし協力隊DAO』の隊員を選定するにあたり、以下の3つの基準を重視しています。
- 既存のDAOでの実績
- NFTやWeb3.0に対するリテラシー
- 地方創生に対する強い意欲
あるやうむは国内唯一の「移住DAOマネージャー登録制度」を運用し、Web3.0に精通し、地方移住を前提とした人材をリスト化し、定期的に更新を行っています。このリストにより、各自治体の特性や課題に最適な人材を迅速かつ効果的にマッチングすることが可能になり、DAOの目的に沿った適任者を確実に見つけ、選定プロセスを効率化しています。
2. 着任中のサポート
隊員が現地で効果的に活動できるようにするためには、次の2点が重要です。
- 日常的な専門相談対応
- 隊員の活動に関する広報支援
あるやうむはWeb3.0やNFTなど最新テクノロジーを活用した「シン地方DAO」の運営経験を持っており、多数の既存DAOにおけるコミュニティマネジメントのノウハウも保有しています。このため、地域おこし協力隊DAOの隊員が直面する技術的な問題やコミュニティ運営に関する質問に、的確かつ迅速に対応することが可能となっています。さらに、Voicyなどの音声プラットフォームや各種SNSを通じて隊員の活動を広報し、認知度の向上にも積極的に取り組んでおり、隊員は安心して活動に集中することができます。
3. デジタル技術の提供
地域おこし協力隊DAOがデジタル時代に即した効率的な活動を行うために、次のようなデジタル技術のサポートを行います。
- Discordの最適化と柔軟な機能追加
- DAOで活用されるNFTの発行・配布およびその活用の支援
Discordに関しては、あるやうむの「シン地方DAO」運営の実績を基に、隊員がスムーズにコミュニケーションできるよう、活動のフェーズに応じて柔軟に機能をカスタマイズします。また、NFTの利用促進においては、ふるさと納税NFTサービスの実績や、独自のNFT発行・配布システムを活用しNFTをURLリンクで簡単に取得できるサービスや、カメラフレームと連動させた思い出を記録する体験の提供など、多様なNFT活用手法を展開しています。
北海道増毛町における着任者紹介と業務内容
『地域おこし協力隊DAO』第5弾となった北海道増毛町における着任者と業務内容について紹介します。
着任者紹介
北海道増毛町における着任者は、世界的に知られるDAO「Nouns DAO」で提案権と投票権を持つ日本のサブDAO「pNouns⚡️DAO」の中心メンバーとして活躍しているhiro氏です。
Nouns DAOへの提案やプロジェクトの実行経験を持ち、さらに海外の同様のコミュニティと連携してDAO活動を展開しています。
幼少期から両親の仕事の関係で北海道余市町にたびたび訪れ、その地域の魅力に親しみがあり、近隣の小樽市では余市町の名産であるワインを取り扱うビジネスの経験もあり、これが地域おこし協力隊DAOでの活動との強い結びつきとなっています。
この隊員の主な目標は、余市町の魅力をDAOを通じて国内外に発信し、Web3.0技術を活用して地域の枠を越えた関係人口を増やすことです。Web3.0やDAO、NFTに関する深い知識とスキルを持つだけでなく、多様な業種での経験や優れたコミュニケーション能力も兼ね備えています。地域に新たな価値を提供し、余市町の発展に貢献する隊員として大いに期待されています。
業務内容
地域住民や協力隊員が主体的に参加できるDAOを構築・運営します。
地域の特色を活かしたWeb3.0プロジェクトを創出するだけでなく、住民の積極的な参加と創造性を引き出す仕組みを実現し、地域の発展を促進するだけでなく、住民同士の結びつきや地域外との交流をさらに強化します。
さらに、新たな交流人口や関係人口を生み出すために、「デジタル協力隊」を活用した参加型の取り組みも行います。このデジタル協力隊は、DAO内での意思決定プロセスを通じて、地域の課題解決や魅力の発信に関する具体的な提案を行い、町全体の課題を解決するだけでなく、地域内外の人々との新たな交流を促進し、地域コミュニティの活性化を目指します。
また、広報やシティプロモーションの強化にも力を入れます。SNSをはじめとする様々なデジタルプラットフォームを積極的に活用し、余市町の魅力を全国に発信することで、町のイメージアップとブランディングを図ります。また、これらのプロモーション活動に連動したイベントや地域の認知度を高めるための具体的なアクションを展開し、地域の魅力を効果的に伝えるとともに、外部からの関心を引き寄せる取り組みを進めていきます。
自治体向けDAO無料セミナーのご案内
あるやうむでは、自治体を対象とした無料オンラインセミナーを随時開催しています。DAOの活用を通じて地域課題を解決する方法について、詳しくご紹介し、以下のような疑問をお持ちの方に向けて情報を提供しているとのことです。
- 地域おこし協力隊DAOの具体的な事業内容を詳しく知りたい
- 地域の課題を解決するためにDAOをどのように導入すればよいか知りたい
セミナーの内容には、弊社の事業概要の説明をはじめ、NFTやDAOの基本的な概念、実際のDAOを活用した事例の紹介、さらにはコミュニケーションツールであるDiscordの使い方など、幅広いトピックをカバーしています。また、参加者の皆様が気軽に質問できるディスカッションの時間も設けており、より実践的で具体的な疑問にお答えすることを目指しています。
セミナーの所要時間は約1時間を予定しており、各自治体のご都合に合わせて、個別に日時を調整して開催することが可能です。
【セミナー内容】
- 会社概要の紹介
- NFTの基本概念
- DAOの基本概念
- DAOを活用した実際の事例紹介
- コミュニケーションツール「Discord」の説明
- 地域おこし協力隊DAOの紹介
- ディスカッション
セミナーのお申し込みはこちら
あるやうむについて
あるやうむは「NFTによる地方創生」を目指して、全国の自治体に対してふるさと納税NFTや観光NFT、さらには地域おこし協力隊DAOといった新たなソリューションを提供している、札幌発のスタートアップ企業です。
NFTを活用することで地域の魅力をデジタル化し、ふるさと納税の返礼品として提供することで、地域の新たな財源を生み出すことを目的としています。また、DAOを導入して地域でのコミュニティ運営を強化し、シティプロモーションの促進や関係人口の創出にも繋げていく取り組みも行っています。
この企業の社名である「あるやうむ」は、アラビア語で「今日」を意味し、”今日この瞬間から挑戦を始めよう”という意欲を表現しており、NFTという最先端のデジタル技術を活用し、各地域が抱える課題に対して積極的に取り組み、持続的に応援され続ける地域づくりをサポートしています。ふるさと納税における新たな魅力付けや、地域のDAOによる運営の強化などを通じて、自治体が抱える課題の解決や新たな経済的な活力の創出を支援するとのことです。
あるやうむ 畠中代表インタビュー記事はこちら
今後の展望
本プロジェクトでは、地域の課題解決と持続可能な発展を支援するために、DAOの仕組みを導入し、地域住民や関係者が意思決定に参加できる環境を構築しています。NFTを活用することで地域の魅力をデジタル化し、新たな財源の創出や外部とのつながりを強化し、地域内外からの多様な意見を取り入れながら、柔軟で効果的な地域運営が実現されることが期待されています。
以下では、このプロジェクトがどのようにDAOとNFTを活用しているのか、そしてその意義について考察します。
DAOとNFTを活用した地域課題解決の新たなアプローチ
DAOとNFTを活用した「地域おこし協力隊DAO」の取り組みは、地域の課題を解決するための新たな方法として注目されています。DAOを導入することで、地域住民や支援者が意思決定に参加でき、従来の中央集権的な運営よりも透明性と柔軟性が高まります。この仕組みを活かし、地域内外から多様な意見やアイデアが集まりやすくなり、課題解決が進みやすくなる効果が期待されます。
また、NFTを活用して地域の特産品や観光資源をデジタル化し、ふるさと納税の返礼品として提供することにより、新たな財源を生み出すことも可能です。地域の価値を広く発信し、関心を持つ人々とのつながりを強化できます。DAOとNFTの組み合わせによって、地域の魅力を効果的に伝え、持続的な発展を支援することが期待されています。
移住DAOマネージャーによる地域コミュニティの強化
「地域おこし協力隊DAO」では、移住DAOマネージャー制度を導入し、地域振興を担うリーダーを選定しています。DAOマネージャーは、Web3やNFTに関する知識を持ち、地域課題の解決に積極的な人材が選ばれ、コミュニティ運営を主導し、地域の特色や課題に合わせた効果的なDAOの運営が実現します。
さらに、DAOマネージャーは地域住民や関係者との連携を強化し、外部の支援やリソースを引き込みやすくなります。技術的サポートや運営ノウハウも充実しており、DAO運営における様々な問題にも対応可能です。これにより、地域の持続可能な発展を促進し、新たな関係人口の創出を目指しています。
関連リンク
▼北海道増毛町が「地域おこし協力隊DAO」の取り組み開始 に関するプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000114.000091165.html
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